2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規バイオマーカーに基づく免疫抑制剤の薬物動態・薬力学解析と新しい治療概念の提案
Project/Area Number |
16590121
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三原 潔 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00281444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 稔 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50197513)
谷川原 祐介 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30179832)
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Keywords | 臓器移植 / 免疫抑制剤 / バイオマーカー / cDNAマイクロアレイ / ラット / 拒絶反応 / 薬物動態・薬力学解析 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は、ラット心移植モデルおよび肝移植モデルの末梢血液中において見いだされた拒絶反応および免疫抑制剤の薬効に関する5種の遺伝子マーカーの治療学的有用性を、実際の臨床症例において明らかにしたことである。 DNAマイクロアレイを用いた網羅的解析により得られた候補遺伝子のうち、ラット心移植モデルからは4種の遺伝子マーカー、肝移植モデルからは1種の遺伝子マーカーを選び、慶應義塾大学病院の生体肝移植症例においてこれらの遺伝子マーカーが拒絶反応および免疫抑制剤の薬効のバイオマーカーとして有用かどうか評価した。急性拒絶を経験した3症例において、心移植モデルから得られた4種の遺伝子マーカーの末梢血液中発現量を定量的PCR法により測定したところ、移植後約1週間は低値に安定していたが、バイオプシーにより拒絶と診断される日より5日前後早い時期にこれらの遺伝子の発現は有意に上昇し始め、2〜3日前にはベースラインの2〜6倍程度高い発現を示した。また、従来臨床で用いられてきた肝機能検査値の上昇よりも早期にこれらの遺伝子の発現は上昇した。 一方、肝移植モデルから得られた遺伝子マーカーの発現も急性拒絶を経験した生体肝移植症例において経時的に測定したところ、拒絶と診断される2日前にベースラインの10倍程度発現上昇することが確認された。以上の結果から、これらの遺伝子は低侵襲、迅速、頻回にモニタリング可能な急性拒絶および免疫抑制剤の薬効のバイオマーカーとして有用と考えられ、国際特許出願を行うことができた(国際特許出願No.PCT/JP2005/009871、国際特許出願No.PCT/JP2006/300336)。
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Research Products
(14 results)