2004 Fiscal Year Annual Research Report
アディポネクチンの分子構造と機能及びその臨床的意義の解明
Project/Area Number |
16590122
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中野 泰子 昭和大学, 薬学部, 助教授 (20155790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸部 敞 昭和大学, 薬学部, 教授 (90102368)
谷岡 利裕 昭和大学, 薬学部, 助手 (80360585)
根来 孝治 昭和大学, 薬学部, 助手 (70218270)
木庭 新治 昭和大学, 医学部, 講師 (20276546)
八塚 正四 昭和大学, 医学部, 助教授 (20119275)
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Keywords | アディポネクチン / ゼラチン結合性 / 冠動脈疾患 / 糖尿病 / 肥満 / 炎症 / 脂肪細胞 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
1.健常者での血中アディポネクチン濃度、high-molecular weight multimer (HMW)、hexamer、trimerの分離解析、アディポネクチン全分子に対するゼラチンに結合する分子の比率等を調査・解析した。 ・健常者では血中HMW濃度は5-15μg/mL程度で、女性の方が男性より高い傾向が認められた。 ・男性においては年齢とともに、また、肥満により濃度が低下する傾向が認められた。 ・男性においてはHMW濃度が低いほど、hexamerやtrimerが多いこと、ゼラチンに結合するアディポネクチンの割合が小さいことがわかった。 2.冠動脈疾患群や糖尿病群、外科手術後の患者を対象に1.と同様の調査を行った。 ・冠動脈疾患群や糖尿病群で血中HMWアディポネクチン濃度、全アディポネクチン濃度共に健常群と同等か治療によるものかかえって高いことが分かった。 ・冠動脈疾患群と糖尿病群では血中アディポネクチン濃度が同じでも健常群よりHMWアディポネクチンの全アディポネクチン濃度に対する比率やゼラチンに結合するアディポネクチンの割合が低いことが分かった。 ・糖尿病や高脂血漿、肥満や術後の炎症の改善により、HMWアディポネクチン濃度が敏感に上昇し、治療の経過を観察する上で、また、患者の意欲を増すために良いマーカーとなることが分かった。 3.ヒト血漿より精製したアディポネクチン及び各種リコンビナントを用いて生理活性を解析している。骨髄細胞においてはゼラチンに結合するアディポネクチンの方が活性が強いことなどが判明してきている。
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Research Products
(2 results)