2005 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚微生物叢の除菌と制御に基づくアトピー性皮膚炎の治療
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16590127
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
杉田 隆 明治薬科大学, 薬学部, 講師 (10312076)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / マラセチア / リパーゼ |
Research Abstract |
アトピー性皮膚炎は増悪・緩解を繰り返す疾患である。酵母マラセチアはアトピー性皮膚炎患者皮膚に常在し、本症の増悪因子となる。昨年度の検討から、アゾール薬がマラセチア菌を効率的にその増殖を阻止することを見いだした。このことからアゾール薬の投与でアトピー性皮膚炎の治療に寄与できる可能性がある。その微生物学評価のためには皮膚上のマラセチア菌を定量する必要がある。そこで本年度は非培養系による定量検出法を開発した。全マラセチア菌種検出には、rRNA遺伝子のD1/D2 26S領域上に、主要増悪菌種M. globosaおよびM. restricta検出用はIGS領域上にprimer/probeをセットしreal time PCRにより定量系を構築した。10^1コピーで検出可能であった。患者検体を用いて測定したところ、マラセチア菌量は頭頸部が体幹/四肢の10倍程度であった。また、M. restrictaはM. globosaの1.6倍定着していた。本定量系を用いることで、アゾール薬投与後の除菌効果を微生物学的に評価できると考えられた。 マラセチア菌はその増殖に脂質を要求することが分泌性リパーゼを産生する。外用ステロイドやタクロリムス等の各種治療薬がリパーゼの分泌に及ぼす影響を調べるために、本年度はまず当該遺伝子のクローニングを行った。RACE法を用いてM.globosaおよびM. restrictaから部分配列を決定した(134 AA)。Candidaとは39%の相同性を示したことから保存されているタンパクであることが示された。今後は、本酵素の制御について検討する。
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Research Products
(4 results)