2004 Fiscal Year Annual Research Report
塩基性ペプチド修飾及び生体分解性微小カプセルを用いたゲノム創薬高分子医薬品の送達
Project/Area Number |
16590128
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山本 昌 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (00166779)
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Keywords | 塩基性ペプチド / 膜透過性ペプチド / キトサンカプセル / 生体内分解性 / タンパク性医薬品 / ゲノム創薬 / 経粘膜吸収 / 吸収改善 |
Research Abstract |
本研究では、難吸収性のモデル薬物FITCにアルギニン残基を7個結合させたオリゴアルギニン修飾体(L体、D体)を合成し、その消化管粘膜透過性が元の化合物に比べ高くなるか否かをin situおよびin vitro消化管吸収実験系ならびにin situ経肺、経鼻吸収実験系により評価した。その結果、L体をapical側に添加した場合にbasal側に出現してくる蛍光強度は、未修飾体(FITC-GABA)やD体の修飾体に比べて高くなり、L体のオリゴアルギニンで修飾することによりFITCの吸収方向の透過性が増大することが認められた。一方、basal側にL体を加えapical側への透過性(分泌方向の透過性)を検討した場合も未修飾体やD体に比べ高い値を示した。また、吸収方向の実験終了後のサンプルを質量分析した結果、未修飾体やD体ではapical側においてほとんど分解されていなかったのに対してL体ではArgがいくつか分解された形の代謝物の存在が明らかとなった。このことから,L体はCaco-2細胞を分解された形で透過しbasal側に出現してくる可能性が示唆された。また、FITCの吸収方向への透過性は単に(L-Arg)_7を加えたのみではあまり上昇しなかったことからFITCと(L-Arg)_7が化学結合していることが透過性の上昇に必要であることが示唆された。一方、L体を経肺および経鼻投与した場合に血中に出現してくる蛍光強度は、未修飾体(FITC-GABA)やD体の修飾体に比べて高くなり、L体のオリゴアルギニンで修飾することによりFITCの経肺ならびに経鼻吸収が増大することが認められた。
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