2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋細胞膜裏打ちに関する形態学的・細胞生物学解析-インテグリン軸を中心として-
Project/Area Number |
16590134
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
依藤 宏 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00158544)
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Keywords | インテグリン β1D / 免疫組織化学 / 免疫電顕 / 骨格筋 / ジストロフィン / α-ジストログリカン |
Research Abstract |
我々の研究の今までの研究成果(Hijikata et al.2003)および他の研究者のデータを総合すると、骨格筋インテグリン軸はビンキュリン、β-シネミン(デスマスリン)、ジストロブレビン間の分子連関を介してジストロフィン-ジストログリカン軸と関連をもつことが示唆されるが、今のところその直接の証拠はない。そこで今回インテグリン軸とジストロフィン-ジストログリカン軸間の分子連関の形態学的根拠を得ることを目的として研究をおこなった。方法は(1)共焦点レーザー顕微鏡によるインテグリンβIDとジストロフィンの二重染色の観察。(2)電顕による超微形態レベルの二重染色による検討をおこなった。(2)については(2)-1:クリオスタット切片に免疫染色を施した後,再包埋し、電顕観察する方法、および(2)-2:サポニンで処理したChemically skinned fiberでの免疫ラベルする方法で実施した。(2)-1の方法ではインテグリンβIDとジストロィンの、(2)-2ではインテグリンとα-ジストログリカンの二重染色をおこない、両者のラベルの位置関係を検討した。その結果(1)共焦点レーザー顕微鏡ではインテグリンβIDとジストロフィンの染色は互いに重なることが確認できた。電顕レペルの(2)-1では両者のラベルが近接して分布する像も数多く観察され、両者のラベル間の距離のヒストグラムを作製するとTriton処理しない場合で20〜30nmに、Triton処理した場合で30〜40nmにピークが認められた。(2)-2の方法では細胞膜をはさんでα-ジストログリカンとインテグリンのラベルが相対する像が観察された。以上の結果から抗体の分子サイズ、一次抗体と二次抗体を使っていることなどを考慮にいれるとインテグリン軸とジストロフィン-ジストグリカン軸の少なくとも一部のものは相互に分子連関を持っているとしても矛盾しないことが結論づけられた。
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