2004 Fiscal Year Annual Research Report
綿毛発生における基底小体付属構造形成の分子機構の解明
Project/Area Number |
16590135
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
萩原 治夫 群馬大学, 医学系研究科, 助教授 (80189464)
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Keywords | 線毛 / 基底小体 / 中心子 / 中心体 / 基底小体附属構造 / ルーレット / 線毛細胞 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
線毛は、中心子と同じ構造の基底小体から伸長し、基底小体には、ルートレット、根小足、翼状板という三つの主要な基底小体附属構造が付随している。ルートレットは195K蛋白質、205-215K蛋白質、ルートレチンなどの分子によって構成されている。ヒトとマウスのルートレチン(hsa:9696,mmu:230872)に共通抗原ペプチドRVEDLLAQSRAERDELAIKYを作成した。これをウサギに注射して、特異抗体(h-m rootletin)を作製した。線毛を伸長した基底小体や中心子におけるゴルジ関連たんばく質の局在について、Golgizone、TGN46、Golgin97、Golgi58(formiminotransferase cyclodeaminase)などに対する抗体を用いて、細胞生物学的、免疫組織化学的に検討したところ、Golgin97、Golgi58K陽性の顆粒状構造がこれらに密接して存在していることが認められた。この局在は、細胞分裂時にも保たれ、また微小管やアクチンフィラメントの阻害によっても変化は見られなかった。HSC-4細胞などの培養細胞で研究をすると、二つの中心子のうちの一方が、ゴルジ関連たんばく質と強く反応していた。線毛を伸長したKD細胞やBalb/c3T3細胞における実験から、二つの中心子のうちの、線毛を伸ばした基底小体(母中心子)の方に強く反応が見られることが証明された。Triton-Xによる抽出標本の蛍光抗体法と免疫電顕法による実験から、膜系ではなく、基底小体(中心子)の周囲物質中に、これらのゴルジ関連たんぱく質が存在することが確認され、基底小体附属構造を含めた線毛装置の形成に、基底小体に付随するゴルジ関連たんばく質が密接に関係していることが考えられた。
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