2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590142
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
溝口 明 三重大学, 医学部, 教授 (90181916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栢原 哲郎 三重大学, 医学部, 講師 (20024705)
木村 一志 三重大学, 医学部, 助手 (20314180)
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Keywords | シナプス / 細胞接着分子 / マイクロアレイ / 海馬 |
Research Abstract |
本研究ではシナプス形態形成のメカニズムを解明すること目標として、新規の細胞接着分子を、(A)シナプス形成期のマウス海馬の発現ライブラリーより細胞間接着活性を指標とした発現クローニング法、(B)海馬発生段階別遺伝子発現パターン比較法(マイクロアレイ法)および(C)培養海馬神経細胞発生段階別遺伝子発現パターン比較法(マイクロアレイ法)の3種類の方法で解析した。ネクチン-1型欠失マウスでは、本来であればネクチン-1型が発現している苔状線維軸索のうち少なくとも10%が、正常の走行範囲である透明層(Strarum Lucidum)を逸脱し、異所性にシナプスを形成していた。また正常範囲内に形成されたシナプスにおいても、Puncta adherentia junctionという接着装置が小型化しているという形態変化も認められた。従って、ネクチンは軸索ガイダンスやシナプス形態の制御に関与することが明らかになった。ネクチン-1型欠失マウスでは、海馬の苔状線維軸索の走行異常と異所性シナプス形成が認められた成果は、ヒトの精神発達遅滞の原因を、シナプス回路の障害として初めて捕らえたものものである。 さらに、ネクチンと類似した細胞接着分子Necl-1が小脳の平行線維-プルキンエ細胞樹状突起間シナプスにおいて、プレポストシナプス、グリア間の細胞間接着部位に局在することを明らかにした。このことは、神経細胞-グリア細胞間の細胞接着の分子実体を初めて明らかにしたものである。
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Research Products
(5 results)