2004 Fiscal Year Annual Research Report
プロトンチャネルによるpHクランプとプロトンシグナルのゆらぎ解析
Project/Area Number |
16590168
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
久野 みゆき 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00145773)
|
Keywords | プロトンチャネル / pH調節 / オシレーション / ゆらぎ / 温度感受性 / リクルートメント / Q_<10> / 膜電位 |
Research Abstract |
本研究の目的は、強力なH^+シグナル発生装置と正確なリアルタイムpHセンサーの性質を兼ね備える膜電位依存性H^+(Hv)チャネルを利用して、Ca^<2+>と並び普遍的に重要なシグナルイオンであるH^+のダイナミックな動態を捉え、そのメカニズムを解明することにある。Hvチャネルを発現しているマイクログリアの細胞内外のpHを高濃度(>100mM)pH bufferによってクランプし、チャネル活性の自発変動の検出を試みた。Voltage-clamp法では、測定インタバルに制限があるため、Current-clampによる膜電位振動を指標とした。膜電位はHvチャネル活性によって10ms,100ms,数秒以上の様々な周期で絶えず振動していることが明らかになり、活性チャネルのリクルートメント機構の存在が推測された。そこで、自発振動の要件(可逆性・反復性・即応性)を満たす事が既に判明しているチャネル活性の温度応答性を、ΔpHが一定となるパルスプロトコール(電位・時間・インタバル)を用いて再検討した。異なる2つの温度の溶液を潅流するdouble barrel tubeをピエゾドライブで動かし、細胞をflowに暴露して温度を急速(delay<10ms)且つ一過性(<1s)に変化させる温度ジャンプ法を適用したところ、定常電流振幅のQ_<10>は約1.4となった。この値は開口チャネルのイオン透過過程によると考えられ、これまで緩徐な温度変化で観察された大きなQ_<10>値(>2)は、チャネル数の増加を反映することが示唆された。以上の結果から、私達は、サイレントチャネルと活性化チャネルから成る2つのプール間でのリクルートメントがHvチャネル活性の大きな振動をもたらしていると推測し、今後、更にそのメカニズムの解明を進める予定である。
|
Research Products
(6 results)