2004 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞の興奮収縮連関における細胞内Ca^<2+>ストアと細胞膜間の結合膜構造の役割
Project/Area Number |
16590171
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
上原 明 福岡大学, 医学部, 助教授 (60140745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 伸一 福岡大学, 医学部, 助教授 (60248515)
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Keywords | 心筋細胞 / 興奮収縮連関 / Ca |
Research Abstract |
心筋細胞には、小胞体蛋白として、形質膜と小胞体膜を近接させるジャンクトフィリンJPが発現している。同蛋白を欠損させると形質膜と小胞体膜間の接合距離が広がり、同蛋白を過剰発現させると正常な2つ組み構造ダイアドの数が増えることが既に明らかにされている。また、JP遺伝子を改変したとき、心筋細胞の規則的収縮ないし興奮収縮連関が著しく乱された心不全状態に陥ることも既に明らかにされている。したがって、JP蛋白が関与する形質膜と小胞体膜の結合膜構造は、正常な興奮収縮連関に重要な役割を担うと考えられる。JPの蛋白欠損により誘発される異常収縮に注目し、心筋興奮収縮連関において結合膜構造が果たす生理学的な役割を探った。次のような実験を行った。 (1)単一心筋細胞における収縮を計り、JP欠損時の異常収縮と野生型の正常収縮の差違について記載した。 (2)JPを欠損した場合の心筋細胞における異常収縮に対応する活動電位の変化を捉えた。活動電位のどの相が変化しているかを調べ、異常収縮を説明する主なイオン機構を明らかにした。 (3)この異常収縮は正常収縮と異なりNifedipine投与によっても除去されないが、細胞外液からCaイオンを除くと消失することから、異常収縮は少なくともL型Caチャネル以外の細胞外からのCa流入が必須と考えられた。 (4)JP欠損時の異常収縮時には、細胞内を旋回するCa waveが認められた。Ca waveを共焦点レーザ顕微鏡を用いて調べ、異常収縮の発生機序を検討した。
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