2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590173
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
安倍 博 福井大学, 医学部, 教授 (80201896)
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Keywords | サーカディアンリズム / 体内時計 / 行動 / 視交叉上核 / メトアンフェタミン / CS系マウス / リズムスプリッティング / 時計遺伝子 |
Research Abstract |
サーカディアンリズムを駆動する体内時計機構は,2つの異なる振動体から構成される.この2振動体説は,(1)Evening(E)振動体とMorning(M)振動体,(2)視交叉上核(SCN)振動体と食餌周期(restricted feeding, RF)同調SCN外振動体(RF振動体),(3)SCN振動体とメトアンフェタミン(MAP)依存SCN外振動体(MAP振動体)のそれぞれから考えられてきた.本課題では,行動リズムがスプリッティングを示すCS系マウスを用いて,E/M振動体とRF振動体・MAP振動体との関連性について明らかにすることを目的とした.平成17年度は,(1)E/M振動体へのMAPの影響,さらに(2)SCN振動体除去によるE/M振動体とSCN外振動体への影響を調べることを目的とし,以下の結果を得た. 1.CS系マウスとC57BL/6J系マウスを,恒常暗条件(DD)で回転輪行動のフリーランリズムを計測し,CS系マウスの行動リズムが2つの活動相に分割するスプリッティングを示すことを確認した.その後,MAP(0.01%)を給水ビンから投与し,フリーランリズムの変化を観察した. 2.MAP投与により,C57BL/6J系マウスではフリーラン周期が延長した.一方,CS系マウスでは,MAP投与下では,投与前のスプリッティングリズムの延長成分に加えて,周期がそれよりもかなり長い成分が出現した.また,MAP投与後のフリーランリズムは,投与前のフリーランの延長線上から開始していた.さらに,MAP投与後は,スプリッティングリズムの2成分のうちM成分が消失した. 3.以上の結果から,CS系マウスにおいて,E/M振動体のうちのM振動体とMAP振動体とが関連する可能性が示唆された.
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