2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋分泌蛋白質アトラクチンによる食欲調節の分子機構
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16590175
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岸 恭一 徳島大学, 大学院・ヘルスサイエンス研究部, 教授 (80035435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二川 健 徳島大学, 大学院・ヘルスサイエンス研究部, 助教授 (20263824)
根本 尚夫 徳島大学, 大学院・ヘルスサイエンス研究部, 助教授 (30208293)
安井 夏生 徳島大学, 大学院・ヘルスサイエンス研究部, 教授 (00157984)
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Keywords | アトラクチン / 骨格筋分泌蛋白質 / UCP-2 / 宇宙フライトラット / 尾部懸垂 / 食欲 / 代謝エネルギー |
Research Abstract |
長期間にわたる宇宙フライトや寝たきり状態は著しい食欲の低下を来す。しかし、このような食欲低下は単に精神的なストレスによるものとして扱われ栄養生理的学的な研究はほとんどなされてこなかった。申請者らは、長年「宇宙フライトによる筋萎縮の分子メカニズム」について研究を行ってきた。その研究を通し、スペースシャトルに搭載した宇宙フライトラットの腓腹筋のマイクロアレイ解析により、筋肉から分泌される蛋白質群、特にアトラクチン、の発現が著明に増大することを見出した。アトラクチンは脳における肥満抑制蛋白質として発見されたが、本研究では筋分泌蛋白質アトラクチンのエネルギー消費調節機能について解析した。具体的には、筋分泌蛋白質は、宇宙フライトや尾部懸垂だけでなく、絶食などでも増大することを確認した。さらに、Cos7細胞に強発現させた分泌型アトラクチンは、筋芽細胞の遺伝子発現にはほとんど影響を与えなかったが、脂肪細胞の非共役蛋白質-2(UCP-2)のmRNA量と蛋白質量を著明に増大した。このことは、筋細胞から分泌されたアトラクチン蛋白質は、脂肪細胞におけるエネルギーから脂肪への変換効率を調節し肥満を防ぐ可能性があることを強く示唆した。アトラクチンによりUCP-2発現が増大した脂肪細胞は、エネルギーを脂肪として貯蔵するのではなく、熱に変換していると考えている。次に、寝たきり状態のどのような因子が骨格筋の分泌型アトラクチンの発現を調節しているのかを検討した。寝たきりというストレスで上昇する酸化ストレス、アドレナリンやグルココルチコイドは骨格筋のアトラクチン発現にほとんど影響しなかった。唯一、インスリンがアトラクチンの発現を抑制した。アトラクチンの発現調節機序はまだ不明であるが、血糖がその重要な候補と考えられた。本研究は、骨格筋が内分泌臓器としての働きも有する可能性があることを証明した。アトラクチンは筋肉と脂肪を関連づける興味深いミオカイン(Myokine)である。
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Research Products
(7 results)