2005 Fiscal Year Annual Research Report
概日リズム中枢細胞の光同調-視交叉上核における各種伝達物質の機能
Project/Area Number |
16590178
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
渡辺 和人 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (80146167)
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Keywords | 視交叉上核 / 概日リズム / 培養 / バゾプレッシン / VIP / 光刺激 / 位相変化 |
Research Abstract |
1.視交叉上核内部の部位による周期の違い 視交叉上核を腹側と背側を分離したスライスでは、背側のリズムの周期が短く、腹側の周期は分離しないものと同じであることはすでに報告した(Noguchi et al.,2004)。今年度は、吻側と尾側のリズムの周期の違いについて調べた。その結果、中央部に比べて吻側、尾側は両者とも周期が短く特に尾側ではそれが著名であることがわかった。VIPとAVPを免疫組織学的に調べると、中央の腹側部にVIP陽性細胞が局在しそれを取り囲む形でAVP陽性細胞があった。VIP陽性領域の割合が小さい切片では周期が短いことがわかった。さらに中央部の視交叉上核切片においてもVIPアンタゴニストを連続投与することにより周期が短くなることがわかった。これらの一連の結果から、中央部腹側に局在するVIP細胞が視交叉上核全体の周期を決定していることが示唆された。(2005年11月日本時間生物学会で発表、論文投稿中) 2.視交叉上核腹側から背側への光情報伝達 培養視交叉上核のリズムが、網膜視床下部経路における光情報の伝達物質であるグルタミン酸のアゴニストの投与によって位相変化を起こすことは一般に知られている。我々の系でも、AVP分泌リズムはNMDAのパルス投与によって光パルスタイプの位相変化を起こした。このNMDAの影響はGABAのアンタゴニストの投与によっては抑制されなかったが、予備実験の結果VIPのアンタゴニストの投与によって抑制されることがわかった。このことは腹側から背側への光情報の伝達はVIPを介して行われていることを示唆する。データを確実なものにするために、現在再実験を行っている。(2006年3月日本生理学会大会で発表予定)
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Research Products
(1 results)