2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境ストレス応答性転写因子ATF5が脂肪細胞分化に及ぼす影響
Project/Area Number |
16590179
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
高橋 滋 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (10266900)
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Keywords | ATF5 / 脂肪細胞 / 分化 / アデノウイルス / 遣伝子発現 / 転写因子 |
Research Abstract |
肥満は糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病のリスクファクターであり、脂肪組織の過剰状態である肥満は脂肪細胞の増殖や分化機構と密接に関係している。これまでに、脂肪細胞の分化に重要な転写因子やシグナル伝達因子の役割は解明されつつある。しかし未解明な部分も多くその全貌の理解が待たれている。我々の研究室では、3T3-L1細胞の脂肪細胞への分化に伴いATF5 mRNA量が減少することを見いだした。このことは、ATF5が脂肪細胞の分化に重要な役割を果たしていることを示唆した。いわばATF5は脂肪細胞の終末分化の決定因子としてではなく、分化を開始させないゲートキーパーとして働いていることが考えられた。ATF5遺伝子発現量の変動が脂肪細胞の分化に与える影響を調べ、ATF5が脂肪細胞分化を制御するメカニズムの解明を行う為に、ATF5のcDNAを効率的に培養細胞へ導入し、機能タンパクをほとんどの種類の細胞で安定的に高発現させる技術が必要である。そこで、様々な細胞に応用可能で、比較的長時間かつすべての細胞でATF5を高発現することができるATF5発現アデノウイルスの作製を試みた。アデノウイルスの遺伝子配列を持つコスミドベクターpAxCAwtitへATF5をコードするcDNAを組み込みin vitro Packagingにより大腸菌内へ導入した。次にコスミドDNAを制限酵素により直鎖状に切断した。そのDNAを動物培養細胞である293AD細胞へ導入しアデノウイルス増殖させ、ATF5発現アデノウイルスの作製に成功した。
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Research Products
(3 results)