2005 Fiscal Year Annual Research Report
概日振動を示す遺伝子群の多角的・効率的機能スクリーニングによる体内時計機構の解明
Project/Area Number |
16590184
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
早坂 直人 近畿大学, 医学部, 助手 (80368290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重吉 康史 近畿大学, 医学部, 教授 (20275192)
長野 護 近畿大学, 医学部, 講師 (80155960)
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Keywords | 神経科学 / 脳・神経 / 体内時計 / 遺伝子機能 / ウイルス |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、以前我々がGene Chipで単離した、体内時計の中枢である視交叉上核と肝臓で共通して発現が概日振動する遺伝子群の効率の良い機能解析法の開発、至適化を行ってきた。マウスやラットの各個体の視交叉上核に目的遺伝子を過剰発現あるいは発現抑制するレンチウイルスを高率に感染させ、in vivoで行動や体温の概日リズムを測定する方法を開発し、その方法で作製した遺伝子導入マウスを用いて複数の遺伝子の概日時計の光入力系、振動体、出力系への機能的関与について検討を行ってきた。また、この実験系が有効であることを確認するコントロールとして、同じレンチウイルスを受精卵に感染させたトランスジェニックマウスを作製し、同様の表現系が観察されるかどうかを検討した。また、概日振動する時計遺伝子Per2のプロモーターにluciferaseを連結したリポーター遺伝子(Per2::luc)を持つトランスジェニック・ラット(マウス)の視交叉上核の培養スライスに同様にレンチウイルスを高率に感染させる方法を開発し、視交叉上核におけるPer2::lucのリズムを指標に、遺伝子導入による概日時計への影響を解析してきた。更に脳スライスでは、MEDシステム(アルファメッドサイエンス社)を用いた神経の電気活動の概日リズムも同じスライスで測定可能にするため、2つの異なるアウトプットを測定する方法の改良、至適化を行ってきた。これまでに、単離された遺伝子のうち、Rgs16とHmg4について、過剰発現と発現抑制を検討するためにそれぞれEF-1 promoterで強制発現させたウイルスベクターと、RNAiの発現ベクターを用いてウイルスを産生し、上記の各方法によりin vivo、in vitroで機能解析を行った。その結果、概日時計の分子機構への機能的関与の一部が明らかになり、現在投稿準備中である。これらの研究を手始めに、網羅的にクローニングされた遺伝子群の解析を効率良く、しかも様々な角度から解析し、概日リズム発振機構の全容を解明していく計画である。
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Research Products
(3 results)