2004 Fiscal Year Annual Research Report
摂取する植物性油脂の違いが寿命を左右する-植物ステロールの役割
Project/Area Number |
16590185
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
小川 博 近畿大学, 医学部, 講師 (00133546)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 和夫 近畿大学, 医学部, 助手 (40182612)
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Keywords | 脳卒中易発症高血圧自然発症ラット / 植物性油脂 / 脳卒中 / 植物ステロール / 寿命 / AIN-93G 純化食 / Abcg5 遺伝子変異 / 食塩負荷 |
Research Abstract |
近年、食塩負荷脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(SHRSP)を用いた実験で、摂取植物性油脂の違いによりSHRSPの寿命が異なることが明らかとなってきた。そして寿命短縮の原因として、SHRSP系ラット特有な遺伝子異常と摂取植物性油脂中の植物ステロール含量が重要な役割を果たしている可能性が高まっている。そこで、本実験では摂取植物性油脂中の植物ステロール含量の影響を検討するため、植物ステロール含量の高い米胚芽油が食塩負荷SHRSPの脳卒中発症・寿命に及ぼす影響について、植物ステロール含量が比較的高いキャノーラ油、植物ステロール含量を低減させた低キャノーラ油、大豆油と比較検討した。 実験動物は5週齢の雄性SHRSFを用いた。カゼインを蛋白源(20%)とするAIN-93G組成準拠飼料を基本とし、飼料中に重量比で3%NaClを添加した。動物を4群に分け、油脂源(10%)として、対照食(SO群)には大豆油、実験食には、大豆油に換えキャノーラ油(CO群)、低キャノーラ油(LCO群)または米胚芽油(RO群)を用いた。実験期間中、飼料、飲料水を自由摂取させ、脳卒中発症と寿命を観察した。血圧は、飼料投与4週間後、tail-pulse pickup法にて測定した。ラットは、死亡後、剖検し脳卒中発症を確認した。 脳卒中未発症の期間における飼料摂取量、体重増加は、4群間に差は認められなかった。投与4週間後の最高血圧は、米胚芽油群において、他の3群に比較し高値傾向が認められたが、各群間に有意な差はなかった。脳卒中発症および脳卒中発症後死亡に至るまでの期間は、RO群が他の3群に比較し短く、CO群、LCO群、SO群の順に長くなり、RO群ではSO群に比較し有意な短縮が認められた。寿命も同様に、RO群<CO群<LCO群<SO群の順で、RO群ではSO群に比較し有意な短縮が認められた。従って、植物性油脂の植物ステロール含量に依存して食塩負荷SHRSPの寿命が短縮されることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)