2004 Fiscal Year Annual Research Report
膜電位に依存した細胞内カルシウムストア制御機構の解明
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16590190
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山澤 徳志子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00282616)
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Keywords | スローウエーブ / カルシウム / イノシトール3燐 |
Research Abstract |
消化管平滑筋では、"スローウエーブ"と呼ばれる周期的脱分極が繰り返し発生している。スローウエーブに重畳して発生する活動電位(Ca^<2+>スパイク)に伴って細胞外から流入するCa^<2+>により、消化管平滑筋は周期的に自発収縮する。また、消化管ではカハール間質細胞(ICC)がネットワークを形成して筋層間に存在し、ICCが減少している突然変異マウスでは、消化管の自発収縮が低下している。このことから、ICCが消化管平滑筋の自発収縮を作り出すペースメーカー細胞と考えられている。しかしながら、ICCがどのようにスローウエーブの発生に関与するかは明らかでない。近年、細胞内Ca^<2+>ストアからのCa^<2+>放出がスローウエーブ形成に関与するという仮説が提唱された。すなわち、(1)脱分極によるイノシトール三燐酸(IP_3)の産生→(2)IP_3によるCa^<2+>放出・Ca^<2+>濃度上昇→(3)内向き電流活性化によるさらなる脱分極、というポジティブフィードバックループが徐々に脱分極を強めていき、スローウエーブを形成するというものである。今年度は、この仮説のキーポイントである細胞内IP_3の関与について初代培養消化管細胞を用いて検証した。IP_3は、IP_35-ホスファターゼによってIP_2に分解され不活性となるため、IP3_5-ホスファターゼを過剰発現させれば細胞内IP_3濃度上昇は抑制できる。そこで、ウイルスベクターを用い、IP3_5-ホスファターゼ遺伝子を初代培養消化管細胞へ導入した。培養消化管細胞は、複数の細胞が集まってネットワークを形成し、周期的脱分極にともなう細胞内Ca^<2+>濃度上昇を示した。IP_35-ホスファターゼを過剰発現させると、周期的細胞内Ca^<2+>濃度上昇が抑制された。以上の結果は、細胞内IP_3濃度が自発活動発生に重要な役割を担うことを支持する。現在、カルシウムストア内腔のカルシウム濃度測定するプローブの評価中である。
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