2005 Fiscal Year Annual Research Report
薬物によるATP感受性K^+チャネルの活性調節の立体構造基盤の解明
Project/Area Number |
16590191
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山田 充彦 信州大学, 医学部, 教授 (10263237)
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Keywords | ATP感受性K^+チャネル / スルフォニルウレア受容体 / ABC蛋白質 / ヌクレオチド結合ドメイン / ヌクレオチド / Kir6.2 / クレアチンキナーゼ / 平滑筋 |
Research Abstract |
AIP感受性K^+(K_<ATP>)チャネルは、スルフォニルウレア受容体(SUR)と2回膜貫通型K^+チャネルサブユニット(Kir6.x)の異種8量体として構成される。心筋型のSURであるSUR2Aまたは平滑筋型のSURであるSUR2BをKir6.2とHEK293T細胞に共発現し、構成されたK_<ATP>チャネル(SUR2A/Kir6.2またはSUR2B/Kir6.2チャネル)の特性を、パッチクランプ法で解析した。いずれのチャネルも、セルアタッチドパッチではほぼ完全に閉鎖していたが、ATPを含まない溶液の中でインサイドアウトパッチを作製すると強く開口した。その後パッチ膜の細胞内側に1mMのMgATPを投与すると、SUR2A/Kir6.2チャネルはほぼ完全に閉鎖したが、SUR2B/Kir6.2チャネルはほぼ完全に閉鎖した後、徐々に開口した。1mMのMgATPが存在する状態でのSUR2A/Kir6.2およびSUR2B/Kir6.2チャネルの定常状態の活性は、それぞれATPが存在しないときの活性の~1%、~30%であった。このMgATP存在下におけるSUR2B/Kir6.2チャネルの高い活性は、Mg^<2+>除去やMgATPγSの投与で消失したことから、SUR2Bのヌクレオチド結合ドメインの内因性のATPase活性に由来するものと考えられた。事実、SUR2Bのヌクレオチド結合ドメインのATPase活性を阻害する点変異は、MgATP存在下のSUR2B/Kir6.2チャネルの活性をほぼ完全に抑制した。またインサイドアウトパッチの細胞内に加えたcreatine/creatine kinaseは、MgATP存在下のSUR2B/Kir6.2チャネルの活性をほぼ完全に抑制した。したがって、平滑筋のK_<ATP>チャネルの活性は、creatine/creatine kinaseにより制御されていることが考えられた。
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Research Products
(4 results)