2004 Fiscal Year Annual Research Report
モデル生物を用いた免疫抑制薬の副作用発現に関するゲノム薬理学的研究
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16590192
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
春藤 久人 神戸大学, 医学部, 助教授 (70206259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久野 高義 神戸大学, 医学系研究科, 教授 (50144564)
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Keywords | カルシニューリン / 特異的免疫抑制薬 / 分裂酵母 / Ca^<2+> / Mn^<2+>-ATPase / Mn^<2+>ホメオスタシス / ゴルジ体 / エンドゾーム / ENTHドメイン / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
特異的免疫抑制薬タクロリムスは、脱リン酸化酵素カルシニューリンの抑制により薬理作用を発揮する。本研究では、分裂酵母の免疫抑制薬感受性変異体を単離することにより、カルシニューリンと機能的に関連する遺伝子を同定し、免疫抑制薬の副作用発現に関与する遺伝子および作用機序を明らかにしようとするものである。本年度の成果は以下のとおりである。 1.P-type Ca^<2+>/Mn^<2+>-ATPaseをコードする分裂酵母pmr1^+遺伝子を単離し、機能解析を行った。pmr1^+遺伝子発現はカルシニューリン依存性であった。pmr1^+遺伝子ノックアウトはEGTA感受性を引起こし、その多コピー抑圧遺伝子としてNramp関連メタルトランスポーターをコードするpdt1^+遺伝子を取得した。pmr1^+およびpdt1^+遺伝子の遺伝学的解析から、両遺伝子産物がMn^<2+>ホメオスタシスの調節を介して、協同的に細胞形態制御に関与することが明らかとなった。 2.カルシニューリン遺伝子ノックアウトと合成致死となる変異体、cis1-1/apm1-1を取得して、原因遺伝子apm1^+の機能解析を行った。apm1^+遺伝子ノックアウト細胞でゴルジ体/エンドゾームにv-SNAREであるSyb1タンパク質が大量に蓄積すること、さらに、ゴルジスタック様の小胞およびポストゴルジ分泌小胞の蓄積が見られた。以上の結果より、Apm1がゴルジ体/エンドゾームにおいて重要な機能を果たしており、分泌、液胞融合および細胞インテグリティなどの種々の細胞機能に関与することが示唆された。 3.エンドサイトーシスに関与するENTHドメインタンパク質、epsinの分裂酵母ホモログをコードするent1^+遺伝子を単離し、機能解析を行った。ent1^+遺伝子は必須遺伝子であり、コンディショナルノックアアウト細胞を作製して解析したところ、分裂酵母においてもエンドサイトーシスに必須の機能を果たしていることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)