2006 Fiscal Year Annual Research Report
モデル生物を用いた免疫抑制薬の副作用発現に関するゲノム薬理学的研究
Project/Area Number |
16590192
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
春藤 久人 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (70206259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久野 高義 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50144564)
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Keywords | カルシニューリン / 特異的免疫抑制薬 / 分裂酵母 / 低分子量Gタンパク質 / Ryh1 / Ypt3 / 細胞内輸送 / ゴルジ / エンドソーム |
Research Abstract |
特異的免疫抑制薬タクロリムスは、タンパク質脱リン酸化酵素カルシニューリンの活性阻害により薬理作用を発揮する。本研究では、分裂酵母の免疫抑制薬感受性変異体を単離することにより、カルシニューリンと機能的に関連する遺伝子を同定し、免疫抑制薬の副作用発現に関与する遺伝子および作用機序を明らかにすることを目的としている。我々はこれまでにypt3-i5変異体を単離し、低分子量Ypt3 GTPaseが分泌経路で機能することを報告している。今回、もう一つの低分子量GTPaseであるRyh1の変異体であるryh1-i6を単離し、Ryh1の機能解析を行った。ryh1-i6変異体の解析により、Ryh1はRab6ホモログであり、Rab6と同様にエンドソームからゴルジへの逆行性輸送に関与していることが示唆された。ryh1^+遺伝子破壊株はypt3-i5変異体と合成致死となったことから、両者はオーバーラップした機能を持ち、共同的に作用していることが示唆された。この遺伝学的相互作用は、GDP結合型Ryh1T25N変異タンパク質の過剰発現がypt3-i5変異体の表現型である、酸性ホスファターゼの糖鎖付加異常および細胞壁インテグリティ異常をさらに増悪したことにより支持された。Ryh1とYpt3はともにゴルジ/エンドソームに局在したが、ゴルジ内では異なる部位に局在した。Ryh1はYpt3と同様に酸性ホスファターゼ分泌に関与していた。これらの結果から、Ryh1は分泌経路に関与し、Ypt3と協同的な機能を果たしていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)