2004 Fiscal Year Annual Research Report
消化管運動改善薬の創製を標的としたヘテロ2量体GABA‐B受容体の解析
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16590200
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
谷山 紘太郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70030898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貝原 宗重 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40274633)
上園 保仁 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (20213340)
林 日出喜 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (10218589)
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Keywords | GABA-B受容体 / ヘテロ2量体 / GABA-B1サブユニット / GABA-B1サブタイプ / GABA-B2サブユニット / 消化管運動 / RT-PCR法 / 共焦点レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は、(1)消化管に発現しているGABA受容体(GABA-A,GABA-B)刺激により腸管運動が、加えて消化管壁内神経からのアセチルコリンの遊離がどのように制御されているかを、生体位イヌ標本を用いて検討する。(2)消化管でのGABA-B受容体の発現をヒトおよびイヌ小腸を用いてRT-PCR法を用いて検討する。(3)さらにクローン化GABA-B受容体(GABAB-1a,1b,1c,1d+GABA-B2)を発現させたBaby hamster kidney(BHK)細胞を用いて、GABA-B受容体の細胞内局在様式について検討した。 (1)生体位でのイヌを用いた検討により、消化管運動はGABAにより制御されていること、GABAによる消化管運動は壁内神経からのアセチルコリン遊離を介すること、GABA-A受容体特異的アルゴニストを用いた実験からGABA-Aの受容体は運動促進に、またGABA-B受容体特異的アルゴニストを用いた検討からGABA-B受容体は運動抑制に関わっていることが判明した。受容体同時刺激では運動抑制が見られたことから、生体内ではGABAはGABA-B受容体に優位に働き消化管運動を抑制していることが考えられた(kawakami et al.,JPS(2004)).(2)ヒト及びイヌでのGABA-B受容体の発現様式をRT-PCR法にて検討したところ、機能的GABA-B受容体を形成すると思われるGABAB-1a,GABA1b,ならびにGABAB2受容体の優位な発現が見られた。また、GABA-B1のサブタイプである1c,1e,1f,1g受容体は(1dは発現せず)ヒト、イヌの両者で認められた(Uezono et al.,JPS(2004);Kawakami et al., JPS(2004))。これらのサブタイプの発現と機能的GABA-B受容体との関連については現在発現系実験を用いて検討中である。(3)共焦点レーザ顕微鏡を用いて、GABA-B受容体の発現、ならびにその動態を可視化したところ、GABA-B1a, GABA-B2受容体は細胞膜上で同様の局在を示した。さらにGABAB1aR-CFP, GABAB2R-YFPという、GABA-B受容体に蛍光蛋白を融合させ受容体を可視化させたクローンを用いた実験において、この両者は二量体として細胞膜に発現していることをFluorescence Resonance Energy Transfer(FRET)法により確認した。(Kanaide et al., Anesthesiology(2004))。次年度はGABA-B1受容体サブタイプと機能的GABA-B受容体形成についての検討、二量体化GABA-B受容体の形成を阻止する薬物などをスクリーニングし、消化管に発現しているGABA-B受容体に特異的に働く薬物開発の基礎データを蓄積していく予定である。
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Research Products
(3 results)