2004 Fiscal Year Annual Research Report
分子シャペロンによる慢性骨髄性白血病原因遺伝子産物(BCR/ABL)の分解制御
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16590207
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
塚原 富士子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40119996)
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Keywords | BCR / ABL / CHIP / c-Cbl / Hsc70 / Hsp90 / イマチニブ / 慢性骨髄性白血病 / タンパク質の分解 |
Research Abstract |
BCR/ABL遺伝子は、慢性骨髄性白血病の95%以上の患者に認められる9番染色体長腕と22番染色体長腕の相互転座の結果生ずる遺伝子である。BCR/ABL遺伝子産物は、強力なチロシンキナーゼ活性を持ち、細胞の増殖を促進、アポトーシスを抑制する。本研究では、分子シャペロンによるBCR/ABLタンパク質の分解制御について研究を行い、以下のことを明らかにした。 1.BCR/ABLタンパク質は、ユビキチン連結酵素であるcarboxyl terminus of the Hsc70-interacting protein (CHIP)およびc-Cblにより、ユビキチン化され、プロテアゾームおよびリソゾーム系で分解される。CHIPおよびc-Cblによる分解制御機構は異なり、c-Cblは、BCR/ABLのリン酸化依存性に、一方、CHIPはタンパク質の構造異常を認識することによって、BCR-ABLの成熟型、未成熟型、リン酸化型いずれの分解にも関与する。Hsp90およびHsc70は、これらの分解系制御機構において重要な役割を持つ。 2.分子標的薬であるイマチニブおよび現在抗癌薬として開発中であるHsp90阻害薬を用い、BCR/ABLの分解および安定化における薬物相互作用について明らかにした。現在、BCR/ABLの分解に関与する分子領域について、さらに詳細な検討を進めている。 3.N-acetyl-cysteineによるBCR/ABL依存性細胞増殖促進作用に対するHsp90阻害薬の拮抗作用の分子機序を明らかにした。
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Research Products
(2 results)