2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子シャペロンによる慢性骨髄性白血病原因遺伝子産物(BCR/ABL)の分解制御
Project/Area Number |
16590207
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
塚原 富士子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40119996)
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Keywords | BCR / ABL / CHIP / c-Cbl / Hsc70 / Hsp90 / イマチニブ / 慢性骨髄性白血病 / タンパク質の分解 |
Research Abstract |
慢性骨髄性白血病原因分子BCR/ABLの分解制御機構に分子シャペロンと相互作用して働くユビキチン連結酵素CHIPおよびc-Cblが、関与していることを昨年度の研究において既に明らかにした。本年度の研究では、さらに以下のことを明らかにした。 1.BCR/ABLで形質転換したBa/F3細胞を用い、テトラサイクリン依存性にCHIPまたはc-Cblを発現する細胞株を樹立した。BCR/ABL依存性Ba/F3細胞の増殖は、CHIPおよびc-Cblの過剰発現により特異的に阻害されることを明らかにした。 2.種々のBCR/ABL分子内領域(4量体形成領域、SH2結合領域、SH2、SH3、キナーゼ領域等)欠失変異体を作製してタンパク質の分解を検討した。Hsp90阻害薬、CHIPおよびc-CblによるBCR/ABLの分解に必須の領域は、それぞれ異なることを明らかにした。さらにこれらの分子内領域の相互作用によるタンパク質の安定化および分解制御機構について明らかにした。 3.CHIPおよびc-Cblは、Hsp90阻害薬によるBCR/ABLの分解を増強することを明らかにした。 4.BCR/ABL分子標的薬イマチニブ耐性の原因の一つとして、BCR/ABL発現の増加が指摘されている。BCR/ABL変異体(E255K、T315I)を発現するBa/F3細胞を作製し、タンパク質量に対するHsp90阻害薬、CHIPおよびc-Cblの効果を明らかにした。 5.BCR/ABLの安定化と分解に対する分子シャペロン(Hsp90,Hsc70,Hsc54)の役割を明らかにした。現在、さらに詳細について検討中である。
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Research Products
(1 results)