2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590210
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
籠田 智美 武庫川女子大学, 薬学部, 講師 (00291807)
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Keywords | 内皮由来過分極因子(EDHF) / 血管内皮 / 一酸化窒素(NO) |
Research Abstract |
血管内皮細胞から産生され、平滑筋細胞を弛緩させる因子として発見された内皮由来過分極因子(EDHF)は、いまだその本体や血管弛緩作用機構に共通した見解がえられておらず、生理学・病態生理学的意義についても明らかにされていない。本研究では、共焦点蛍光顕微鏡を用いた血管平滑筋細胞の膜電位変化と収縮・弛緩反応を同時に可視化する方法を確立し、この新しい手法を使ってEDHFの本体やその作用を明らかにすることを目的としている。 本年度は、共焦点蛍光顕微鏡を用いた平滑筋細胞の膜電位および収縮・弛緩反応の同時測定法を確立した。方法を以下に示す。10-12週齢のWistar系雄性ラットより、腎動脈および腸間膜動脈(第2〜3枝)を摘出し、標本を作製、Krebs-Henseleit液で満たしたglass bottom dishに固定した。膜電位感受性色素(DiBAC_4)を添加30分間インキュベートした後、共焦点蛍光顕微鏡にセットした。フェニレフリンを添加し血管を収縮させた後、アセチルコリンを添加しEDHFを産生させることにより血管を弛緩させた。この間の蛍光強度を経時的に測定し、平滑筋細胞の膜電位変化を再現よく検出することが可能となった。また、膜電位測定時に得られる画像を解析することにより、収縮・弛緩反応を同時に測定することが可能となった。来年度は、本法を用いて、EDHFの弛緩反応機構ならびに一酸化窒素(NO)とのクロストークについて検討する。 さらに本年度は、ラットにlipopolysaccharideを連続投与しNO産生を持続的に増加させた場合,腎動脈におけるEDHFを介する弛緩反応が著しく減弱すること、その減弱はNO除去剤を処置することにより改善されることを明らかとし,NOによりEDHF産生が負に調節されていることを報告した(Life Sci.,74,2757,2004)。
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Research Products
(3 results)