2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590210
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
籠田 智美 武庫川女子大学, 薬学部, 講師 (00291807)
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Keywords | 内皮由来過分極因子(EDHF) / 血管内皮細胞 / 一酸化窒素(NO) |
Research Abstract |
血管内皮細胞から産生され平滑筋を弛緩させる因子として発見された内皮由来過分極因子(EDHF)は、いまだその本体や血管弛緩作用機構に共通した見解がえられておらず、生理学・病態生理学的意義についても明らかにされていない。本研究では、共焦点蛍光顕微鏡を用いた血管平滑筋細胞の膜電位変化と収縮・弛緩反応を同時に可視化する方法を確立し、この新しい手法を使ってEDHFの本体やその作用を明らかにすることを目的としている。本年度は、共焦点蛍光顕微鏡を用いた平滑筋細胞膜電位測定法および従来から行われているorgan bath法の両手法を用いて、各種病態モデル動物の腸間膜動脈におけるEDHF産生・機能変化について検討した。 14-20適齢の自然発症高血圧ラットSHR、肥満モデルラットZucker fa/fa、生活習慣病モデルラットSHRSPZFより腸間膜動脈(第2〜3枝)を摘出しリング状標本を作製、EDHFの反応性を検討した。その結果、高血圧を発症した動物ではEDHFは低下しているが、肥満動物ではほとんど影響をうけていないこと、また、その両者が重積して発症した場合にはEDHFは低下していることをみいだした。このことから、EDHFは血圧上昇による影響をより強く受けると考えられる。 さらに、本年度は、生活習慣病モデルラットSHR/NDmcr-cp胸部大動脈では血管拡張機能が低下していること、その機序として内皮細胞からのNO産生は高まっているにも関わらず平滑筋のNOに対する弛緩反応性が低下していることを明らかとし、さらに、NO産生亢進は増大した酸化ストレスに対する生体の防御機構である可能性を報告した(Life Sci.,78,1187,2006)。
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Research Products
(1 results)