2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗体遺伝子クラススイッチ組み換え及び体細胞突然変異におけるAIDの役割
Project/Area Number |
16590225
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長岡 仁 京都大学, 医学研究科, 講師 (20270647)
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Keywords | AID / クラススイッチ組み換え / 体細胞突然変異 / 抗体遺伝子 / 高IgM症候群 / 細胞内局在 |
Research Abstract |
B細胞は、抗原とであった後、ヘルパーT細胞依存的にその抗体遺伝子をDNAレベルで改編する。抗体遺伝子の体細胞突然変異(SHM)と抗体定常部領域遺伝子(C)のクラススイッチ組み替え(CSR)がこれにあたり、それぞれ高親和性抗体産生及び定常領域遺伝子のアイソタイプスイッチ現象の分子基盤である。近年AID(activation induced cytidine deaminase)は、SHM,CSR両方に必須な分子である事が遺伝子のノックアウト等から明らかとなった。が、未だその分子機構は不明な点が多い。AIDが、どの様にSHM,CSR2つの現象を引きおこすかを解明する事は、SHM,CSRの分子機構を解き明かす上で、緊要の課題である。 1.我々は、AIDの細胞内局在の解析とそれを規定する機構の解明、ならびにそのCSR SHM活性との関連の探索のため、野生型並びに変異を持つAIDとGFPの融合タンパク質を多数作成し、細胞内局在を決める領域を決定した。その結果AIDはN末端側に弱い核移行シグナルを、又、C末端側には核排出シグナルを持ち、核と細胞質を行き来する事を明らかにした。核外移行はLMBで阻害される事から核排出シグナルにトランスポーターCRM1が結合すると考えられた。核外移行シグナルの欠損変異体はSHM活性を野生型以上に有しているが、CSR活性は低い事がわかった。 2.AIDの変異体にCSR活性は維持されるがSHMのみが失われるものがあるかどうかをランダムにC末端側に変異を導入したAIDを用いて検討した。その結果、N末端よりの部分にSHMに重要な領域がある事を同定した。以前同定したC末側のCSRに重要な領域の存在と合わせ、CSRとSHMには、それぞれ異なる補因子がN末端C末端に結合する事を示唆すると考えた。 3.CSRにおけるUNGの役割が、Uを除去する事によらない事をUNGの不活化型変異体を用いて明らかにした。また、CSR時のDNA鎖切断にはAID発現後にタンパク合成に依存する過程がある事を明らかにした。
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Research Products
(5 results)