2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムインプリンティングの構造、進化およびその成立機序
Project/Area Number |
16590232
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
向井 常博 佐賀大学, 医学部, 教授 (40108741)
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Keywords | インプリンティング / インプリンティングセンター / DNAメチレーション / Murr1 / U2af1-rs1 |
Research Abstract |
マウスU2af1-rs1はもっぱら父親由来アリルが発現するインプリント遺伝子であり、Murr1遺伝子の第1イントロンに位置している。Murr1は成体脳でのみインプリントを受け、母親由来アリルが優勢に発現している。解析の結果、ヒトMURR1にはマウスU2af1-rs1に対応する相同遺伝子はイントロンには見当たらず、成体脳でも両アリルが発現している。マウスMurr1ならびにヒトMURR1の周辺500kb以内に3つの遺伝子、4930430E16Rik, Cct4,B3gnt1を同定した。これらの遺伝子は全て両アリル発現であった。このことはマウスインプリンティング領域が小さな領域に限られていること、ならびにU2af1-rs1の導入がこの領域のインプリンティングの原因となっていることが推測された。我々はこの領域のCpGアイランド(CGI)のメチル化状態を調べた。U2af1-rs1のCGIは母親由来アリルのメチル化示し、他のCGIは両アリルのメチル化か非メチル化を示した。U2af1-rs1の生殖細胞系列におけるメチル化解析を行ったところ、CGIの5'領域に卵細胞特異的メチル化を観察した。この結果はこの領域がインプリンティングコントロール領域であり、マウスMurr1/U2af1-rs1領域におけるインプリンティングを支配していることを示す。
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Research Products
(2 results)