2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムインプリンティングの構造、進化およびその成立機序
Project/Area Number |
16590232
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
向井 常博 佐賀大学, 理事 (40108741)
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Keywords | インプリンティング / インプリンティングセンター / DNAメチレーション / Murr1 / U2af1-rs1 |
Research Abstract |
マウスU2af1-rs1の生殖細胞系列におけるDNAメチル化解析では、プロモーター付近のCpGアイランドの5'領域に卵細胞特異的DNAメチル化領域があり、マウスMurr1/U2af1-rs1におけるインプリンティングコントロール領域と考えられている。 1.マウスU2af1-rs1の初期胚(接合体、2細胞、桑実胚、胞胚)でのDNAメチル化状態を調べた。その結果、全体を通して母性由来アリルのメチル化、父性由来アリルの非メチル化が保たれていることが分かった。 2.インプリンティング遺伝子のDNAメチル化の維持におけるH3-K9メチル化酵素(G9a)の関与を明らかにする目的で,G9a欠損ES細胞株におけるU2af1-rs1遺伝子のメチル化状態を調べた。その結果、G9a欠損ES細胞株ではメチル化が消失していることはわかったが、その親株において既にメチル化が消失していることがわかり結論は出せないことが分かった。ついでDNAメチル化維持酵素(Dnmt1)の関与についても明らかにするためにDnmt1欠損ES細胞株で検討したところ、メチル化が消失していることからDnmt1が必要であることが分かった。 3.マウス初代繊維芽細胞を使って、U2af1-rs1のヒストン修飾の状態を調べた。そのためにマウスF1細胞を用い各種ヒストン抗体(H3アセチル化、H4アセチル化、H3リジン4メチル化、H3リジン9のモノメチル化、ジメチル化、トリメチル化)を使ってCh1IPアッセイを行った。その結果、正逆交配によるどちらの細胞株を使っても、用いたすべての抗体でU2af1-rs1の活性化アリルである父性アリルが検出された。これはアッセイの位置を変えても、抗体を変えても同じ結果であった。ヒストンH3リジン9のメチル化はこれまで不活性化アリルに検出されており、全く逆の結果を示した。これについてはさらに多方面から検証する必要がある。
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Research Products
(3 results)