2005 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白の核内局在を制御する新規分子MORC3とそのファミリー
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16590237
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Research Institution | Osaka Medical Center for Cancer and Cardiovascular Diseases |
Principal Investigator |
井上 徳光 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), 部長 (80252708)
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Keywords | MORC / PMLボディー / Sp100 / p53 / 核ダイナミクス / GHL-ATPase / SUMO |
Research Abstract |
ストレス応答、転写制御、テロメア維持、老化において、核内で転写因子等が効率良く働くためには、蛋白が核内サブドメインに集積することが知られている。 申請者は、GHL-ATPaseドメイン、CWドメイン、核移行シグナル、Coiled-coilドメインを持つMORCファミリー蛋白のうち、MORC3機能を細胞生物学的に解析した。その結果、(1)MORC3が、そのATPaseドメイン依存的に核質からPMLボディーに移動すること、(2)構成的にPMLボディに局在化するSp100蛋白の局在に関わること、(3)DNA損傷などのストレス刺激に対し、p53が、PMLボディに局在化するのに関わること、を明らかにした。 今回、さらに、Morc3のノックアウトマウスを作成し、個体レベルでの機能を解析した。Morc3欠損マウスは、18.5日胚では、メンデル遺伝に沿った比率で生存していたが、全例、出生時または出生1日以内に死亡した。欠損マウスは、造血に異常があり、単球への分化の障害と胸腺の未発達を認めた。Fetal liverを用いたin vitroのコロニーassayでは、GM-CSFには反応して、単球系の細胞に分化したが、M-CSFには反応しなかった。今後、さらに、造血細胞分化におけるMorc3の関与を明らかにしていきたい。 また、本年度、MORCファミリー蛋白の混乱していた名前をMORC1,2,3,4(ヒト)、Morc1,2a,2b,3,4(マウス)とHUGOおよびMGDに正式に登録した。 申請者は、本研究の成果を、第28回日本分子生物学会(福岡)および第48回アメリカ細胞生物学会(サンフランシスコ)で発表し、現在、論文として投稿中である。
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Research Products
(1 results)