2005 Fiscal Year Annual Research Report
神経堤細胞分化・増殖・死の転写因子による制御とその異常
Project/Area Number |
16590240
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
幡野 雅彦 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助教授 (20208523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 理紗 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助手 (30376363)
徳久 剛史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20134364)
有馬 雅史 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (00202763)
坂本 明美 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (90359597)
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Keywords | Nczf / 転写抑制因子 / Zinc finger protein / DNA結合配列 / 神経堤細胞 / 腸管神経節 / Hirschsprung病類縁疾患 / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
Nczfの転写制御因子としての機能、および生体内での機能を明らかにすることを目的としレポーターアッセイおよびNczf蛋白が結合するDNAコンセンサス配列を決定した。Gal4-Nczf融合蛋白とGal4結合配列のレポータープラスミドの系を用いてNczfの転写制御活性について検討した。その結果Gal4-Nczf発現ベクターの量依存性にGal4ルシフェラーゼ活性が抑制され、Nczfは転写抑制因子として機能することが明らかとなった。次にNczfの11個のzinc finger部分とGSTの融合蛋白を作成し(GST-Nczf-ZF)、SAAB法(selection and amplify binding method)を用いてNczfの結合するDNAコンセンサス配列を同定、解析した。5'側と3'側にそれぞれ20bpのprimer配列を持ち、中央に15bpまたは35bpのランダム配列を持つ二本鎖DNA(CTGGATCCTAAGATTCCCTG-N15bp or 35bp-AGGAATTCAGCTTTGAGCCT)を作成し、このDNA fragmentをGST-Nczf-ZF融合タンパクと結合させ、候補配列を含むDNA fragmentを回収した。得られたDNA fragmentをPCR法にて増幅し、PCR産物を再度融合タンパクと結合させた。同様の反応を6回繰り返し、得られたDNA fragmentのシークエンスを確認しコンセンサス配列を選定した。その結果8bpのコアを含むコンセンサス配列が決定された。次に選定された配列をもとにEMSA(=electro mobility shift assay)を試行しNczfのzinc fingerとコンセンサス配列の結合を確認した。また得られたNczfコンセンサス配列をゲノム上で検索したところ、ヒトおよびマウスのエンドセリンレセプターBにおいて腸管神経細胞での発現を制御するENSエンハンサーとよばれる領域に複数存在することが明らかとなった。エンドセリンレセプターBはヒトHirschsprung病の原因遺伝子でもあることより、今後NczfによるエンドセリンレセプターB遺伝子発現制御機構の解析およびヒトHirschsprung病およびその類縁疾患(IND)におけるNczfの遺伝子異常などについても研究をすすめていく予定である。
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Research Products
(7 results)