2005 Fiscal Year Annual Research Report
グルタチオンS-トランスフェラーゼπの細胞内局在の分子機構
Project/Area Number |
16590247
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
後藤 信治 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50186889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井原 義人 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70263241)
近藤 宇史 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00158908)
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Keywords | glutathione S-transferase π / nuclear localization signal / mitochondria import signal / anti-cancer drug resistance |
Research Abstract |
研究の目的 申請者らは、がん細胞の薬剤感受性に深く関与するグルタチオンS-トランスフェラーゼπ(GSTπ)が、核内にも存在することを見出した。しかし、GSTπには既知の核移行シグナルが認められない為、どのような機構によって核移行するのか不明である。また、GSTπがミトコンドリアにも存在することが判明したが、どのような機構により移行するのか不明である。そこで、GSTπの核移行機構、ミトコンドリア移行機構を明らかにすることを目的とした。 研究成果 GSTπの核移行シグナルは、C末端領域の195-208のアミノ酸であることが明らかとなった。この領域は既知のシグナルとは異なり、全く塩基性アミノ酸を含まないユニークなものであることが判明した。現在、このアミノ酸領域とinteractionするタンパク質の同定を進めている。 また、GSTπは、ミトコンドリアの膜間腔に存在することを明らかにした。GSTπのミトコンドリアへの移行には、N末端領域の1-20と71-84の二つのアミノ酸配列が必須であることが明らかとなった。加えて、この二つのアミノ酸領域中に存在するアルギニンが重要であることが明らかとなった。現在、このアミノ酸領域とinteractionし、GSTπをミトコンドリアへ輸送するタンパク質の同定を進めている。 さらに、臨床検体の免疫組織化学的検討により、核内にGSTπが存在する卵巣癌、子宮体癌、子宮頸癌患者は、細胞質にのみ存在する患者より予後が不良であること、抗がん剤治療後、核GSTπが陰性から陽性に転化する症例でも、予後が不良であることを見出した(Clinical Oncology、2005)。
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Research Products
(2 results)