2005 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変動物を用いたAMP代謝の新しい役割の解明
Project/Area Number |
16590259
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
森崎 隆幸 国立循環器病センター(研究所), バイオサイエンス部, 部長 (30174410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森崎 裕子 国立循環器病センター(研究所), バイオサイエンス部, 室長 (40311451)
日高 京子 国立循環器病センター(研究所), バイオサイエンス部, 室長 (00216681)
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Keywords | AMP / モデル動物 / 代謝異常 / 遺伝子改変動物 |
Research Abstract |
生体における役割が必ずしも明らかではないAMP脱アミノ化酵素AMPDについて、3種のアイソザイムをコードする3種の遺伝子(AMPD1,AMPD2,AMPD3)のそれぞれについて樹立した遺伝子欠損マウスについて、各組織における機能変化を検討し、さらにそれらの交配により複合遺伝子欠損マウスを作製し、個体レベルでの遺伝子機能解析を行った。AMPD1ノックアウトマウスは、筋特異的AMPD活性欠損を示し、ヒトにおける筋AMPD欠損症と同等の所見が見られ、骨格筋でのAMP/ATP比の上昇とAMPKリン酸化の増加が確認された。AMPD2ノックアウトマウスでは蛋白尿が見られ、腎糸球体の変化、肝臓でならびに全身の脂肪蓄積減少を示し、肝臓におけるAMPD活性低下とAMP量の上昇、AMPKならびにその制御下にあるACCのリン酸化の亢進を認めた。AMPD3ノックアウトマウスでは赤血球ならびに心筋のAMPD活性低下と赤血球ATPの著増を認めたが、ヒト赤血球AMPD欠損症と同様、それ以外には著変を認めなかった。複合遺伝子欠損マウスの樹立過程において、AMPD2/3複合欠損ホモマウスは生後3週ですべて死亡することが確認されたが、AMPD1/3ならびにAMPD1/2複合欠損ホモマウスは生殖可能週令まで達しマウスラインとして樹立された。これまでのところ、マウス個体における機能変化はAMPD2遺伝子欠損で最も顕著であり、脂質代謝においてAMP代謝が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)