2004 Fiscal Year Annual Research Report
乳腺の初期浸潤癌:早期転移能に関わる臨床病理学的因子の検討
Project/Area Number |
16590266
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森谷 卓也 東北大学, 大学病院, 助教授 (00230160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 貴 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10261629)
石田 孝宣 東北大学, 大学病院, 助手 (70323011)
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Keywords | 乳腺 / 乳癌 / 浸潤性乳管癌 / 微小浸潤癌 / 早期浸潤癌 / 初期浸潤癌 / 病理 / 針生検 |
Research Abstract |
早期に転移能を有すると目されるInvasive micropapillry carcinoma(IMPCa)について、通常型浸潤癌との対比から臨床病理学的に検討を行った。IMPCaの特徴として、通所型乳癌に比してリンパ節転移率が有意に高く、かつ10個以上のリンパ節に転移を来しやすいことが明らかになった。主病巣は核異型の程度が強く、ホルモン受容体陰性、HER2陽性例が多く、それらも有意差を得たが、必ずしも全例に共通する事項ではなく、浸潤径が小さい症例で再検討を予定している。また、IMPCaの遺伝子発現についてmicroarrayを用いて解析を行ったところ、約170の遺伝子で通常型乳癌との発現差を認めたため、さらにその詳細を解析した。以上の成果は国際病理学会(2004年10月、豪州)で発表した。 初期浸潤性乳癌について、5mm毎に全割を行った手術標本を用いて、最大浸潤径の再評価を行った。その結果、約150例を収集することができた。リンパ節転移は浸潤径3mm未満の症例では認められず、また浸潤径3mm-4mmでリンパ節転移を伴う症例の乳管内癌成分はコメド型・高度核異型などの特徴有することが明らかになった。その他の因子も含め、翌年度へ向けて、更にその詳細を解析する予定でいる。 針生検(CNB)標本で浸潤能をどの程度予想できるかを検討するために、予備検討としてCNB施行乳癌症例例で手術標本との対比を行った。その結果、CNBでは核異型、細胞異型はCNBでは軽い傾向が見られたが、ER,PR,HER2の発現に関する再現性はそれぞれ97%、93%、86%と良好であり、CNBを用いて悪性度評価を行うことは十分可能と考えられた(2005年日本乳癌学会で発表予定)。その他細胞材料を用いたFISH法について、標準的手法の確立を試みている。
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Research Products
(7 results)