2005 Fiscal Year Annual Research Report
乳腺の初期浸潤癌:早期転移能に関わる臨床病理学的因子の検討
Project/Area Number |
16590266
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森谷 卓也 東北大学, 病院, 助教授 (00230160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 貴 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10261629)
石田 孝宣 東北大学, 病院・講師 (70323011)
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Keywords | 病理学 / 乳癌 / 人体病理 / 癌 / 初期浸潤癌 / 免疫組織化学 / 微小浸潤癌 / 非浸潤癌 |
Research Abstract |
早期浸潤癌を術前に発見し、治療方針の決定に役立てることが可能かを検討する目的で、針生検の段階でリンパ節転移や間質浸潤像を認識可能であるか検討したが、針生検で非浸潤癌と判定された45病変中16病変(36%)に手術標本で浸潤癌が見られ、うち4例にリンパ節転移を認めた。次に、原発性乳癌において浸潤転移能に関わる重要な因子となりうるリンパ管侵襲・静脈浸潤に関する標準的評価法を確立する目的で、内皮マーカーの免疫組織化学および弾性線維染色を実施した。その結果リンパ管侵襲は癌の先進部に出現すること、HE染色で十分認識できること、静脈浸潤は弾性線維染色が必須で、その陽性所見は生命に関わることを明らかにした。以上の成果は、第13回日本乳癌学会総会(2005年6、倉敷市)で発表し、論文投稿中である。 最大浸潤径10mm以下の初期浸潤性乳癌症例約200例について転移能を含めた臨床病理学的因子の検討を行った。リンパ節転移は浸潤径3mm未満の症例では認められず、また浸潤径3mm-4mmでリンパ節転移を伴う症例の乳管内癌成分はコメド型・高度核異型などの特徴を有することが明らかになった。 前年度実施したinvasive micropapillary carcinoma(IMP)のmicroarray解析結果について、可能なマーカーでの免疫組織化学を施行した。IMPは細胞の接着や極性保持に関わる遺伝子に異常を有している可能性が示唆された。 さらに、乳管内の良性過形成〜非浸潤癌、ならびに初期浸潤癌の病理組織学的な鑑別に客観性を持たせる目的で、異なる種類のサイトケラチン(CK)や筋上皮マーカーを用いた免疫組織学的検討を試みた。免疫組織化学を浸潤能推定に役立てるには至らなかったが、良悪性の鑑別上CK5,6,14等が有用と思われた。成果はMed Mol Morphol、2006年に発表・印刷中である。
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Research Products
(5 results)