2004 Fiscal Year Annual Research Report
潰瘍性大腸炎の癌化に関わる遺伝子異常と細胞粘液形質
Project/Area Number |
16590270
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
味岡 洋一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80222610)
|
Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 大腸癌 / 潰瘍性大腸炎の癌化 / dysplasia / 粘液形質 |
Research Abstract |
1 潰瘍性大腸炎(UC)に合併した大腸癌(UCAC)の粘液形質 sm以深浸潤癌の5/8(62.5%)、粘膜内癌(もしくはdysplasia)の4/6(66.7%)はMUC2+/MUC5AC+であった。対照としての炎症性腸疾患非併存大腸癌で同mucin phenotypeを呈したものはなく(0/60)、その42/60(70%)はMUC2-/MUC5AC-であった。MUC2とMUC5ACの共発現は、潰瘍性大腸炎を発生母地とする大腸癌の特徴的粘液形質と考えられた。 2 大腸癌合併UC粘膜のMUC5AC発現 大腸癌を合併したUCではその7/9(22.2%)で、非腫瘍性陰窩にMUC5ACのびまん性発現がみられた。 一方、年齢・UC罹病期間をマッチングさせた大腸癌非合併UCにおける陰窩のびまん性MUC5AC発現は2/9(22.2%)であった。潰瘍性大腸炎粘膜におけるMUC5ACのびまん性発現は、大腸癌発生のリスクマーカーの一つとしての意義が期待される。 3 dysplasiaの胃型形質分化 dysplasiaの9/17(53%)は、胃腺窩上皮型および幽門腺型粘液のcore proteinであるMUC5AC、MUC6を共発現しており、それらの腺管内分布は胃幽門腺粘膜と同様に、MUC5ACが粘膜中層〜表層、MUC6が粘膜深層であった。UCに発生する大腸癌は、胃幽門腺粘膜に類似した2方向性胃型形質分化を特徴としており、その発生母地として大腸粘膜の胃化生の存在が想定される。 4 UCACのDNA抽出 癌の深達度(sm以深、粘膜内)とp53免疫染色態度別にパラフィン切片からDNAを抽出した。 現在7病変119箇所のDNA抽出が終了し、それらのK-ras,p53 mutationの有無、MSIを検索中である。
|
Research Products
(1 results)