2005 Fiscal Year Annual Research Report
潰瘍性大腸炎の癌化に関わる遺伝子異常と細胞粘液形質
Project/Area Number |
16590270
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
味岡 洋一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80222610)
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 大腸癌 / 癌化 / dysplasia / 粘液形質 / p53 / K-ras / MSI |
Research Abstract |
1.潰瘍性大腸炎に合併する癌とdysplasiaのp53遺伝子変異 パラフィンブロックからsm以深癌4例とそれに随伴するdysplasia部のそれぞれ3箇所からDNAを抽出し、p53遺伝子変異(exon5-8)の有無を検索した。p53遺伝子変異は4例の癌、dysplasia全てに認められた。癌部のp53 mutationのパターンにはheterogeneityはなかったが、2病変のdysplasiaでは抽出箇所により異なるmutationのパターンがみられた。p53遺伝子異常は潰瘍性大腸炎の癌化に重要な役割を果たしているが、dysplasiaの段階では異なるp53遺伝子異常パターンを来した複数のsubcloneが存在していると推定された。 2.潰瘍性大腸炎に合併する癌とdysplasiaのK-ras遺伝子異常 p53遺伝子変異の検索と同じDNAを用いて、K-ras codon 12変異の有無を検索した。sm以深浸潤癌、dysplasia、いずれにも変異は認められなかった。 3.潰瘍性大腸炎に合併する癌とdysplasiaのMSI(microsatellite instability) sm以深浸潤癌6例とそれに随伴するdysplasia部からそれぞれ3箇所以上の領域を選び、DNAを抽出した。D2S123、D5S346、D17S250、BAT25、BAT26の5つのmicrosatellite markerを用い、MS1の有無を検索した。癌、dysplasiaともにMSI-H(2つ以上のmarkerにreplication errorあり)を示したものはなかった。
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Research Products
(3 results)