2006 Fiscal Year Annual Research Report
肥満におけるPPARSの役割:遺伝子改変ウサギを用いた研究
Project/Area Number |
16590281
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
渡辺 照男 佐賀大学, 総合分析実験センター, 客員研究員 (40037396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 正敏 佐賀大学, 総合分析実験センター, 助教授 (90136482)
北嶋 修司 佐賀大学, 総合分析実験センター, 助手 (70284643)
範 江林 山梨大学, 医学部, 教授 (60272192)
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Keywords | 肥満 / 脂質代謝 / PPARs / 動物モデル / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
これまでの研究成績よりPPAR-γ遺伝子導入ウサギの通常食飼育下および10%高脂肪食下における体重の推移,糖代謝能ならびに動脈硬化に関する検討を行ってきたが,いずれもPPAR-γ遺伝子導入ウサギと対照群との間で有意な変化は認められなかった。これらの原因の一つとして遺伝子組換えウサギにおけるPPAR-γの発現量が十分でなかった可能性を否定できない。そこで,さらにPPAR-γを高発現する遺伝子組換えウサギによる追試を行うことを目的に,本年度は,現在のラインよりもPPAR-γを高発現する遺伝子組換えウサギラインの作製実験を行なった。その結果,マイクロインジェクション後の正常胚約1500個を48匹の仮親に胚移植したところ,26匹が妊娠し,83匹の産仔を得ることができた。これら胚移植後に得られた産仔について遺伝子解析を行ったところ,4匹に遺伝子導入が確認された。このうち,離乳時まで生存したのは2匹であった。したがって,我々は現在までに2匹の新たなファウンダーウサギを得ることに成功している(P57系統P97系統)。しかし,残念ながらいずれも雌であったため,発現解析および肥満,動脈硬化の実験に必要な数のウサギを得るためのウサギコロニーの拡大に時間を要している。このうち,P57系統はF1を得るための繁殖を開始しているが,P97系統についてはファウンダーが性成熟に達するのを待っている段階である(雌ウサギの性成熟は4-5ヶ月)。今後,Flウサギが得られ次第,導入遺伝子の発現およびPPAR-γの発現量の解析,肥満実験,動脈硬化実験に必要なF2ウサギの繁殖を行い,再度,これらの遺伝子組換えウサギを用いてこれまでの実験の追試を行う予定である。
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Research Products
(1 results)