2004 Fiscal Year Annual Research Report
潰瘍性大腸炎の大腸発癌における粘膜リモデリングと間質細胞の遺伝子異常関与の証明
Project/Area Number |
16590293
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岡安 勲 北里大学, 医学部, 教授 (20014342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 功 北里大学, 医学部, 講師 (90316943)
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 発がん / 遺伝子不安定性 / 間質細胞 / 大腸がん / 慢性炎症 / マイクロダイセクション / リモデリング |
Research Abstract |
潰瘍性大腸炎(UC)の大腸発癌に関連する粘膜のリモデリングと癌化に関与すると思われる上皮・間質細胞の遺伝子不安定性を明らかにするべく検索を行った。その結果、 1.UCの罹病期間に相関して粘膜の組織学的リモデリングが進行することが判明した。すなわち大腸粘膜陰かの短縮・傾き・融合・数の減少、粘膜筋板の肥厚が有意にみとめられ、特に癌化例では非癌化例と比較して粘膜筋版の肥厚・陰かの傾き・融合が有意に亢進していた。さらに上皮細胞の蛋白発現のモデリングとして、Ki-67,p53,p21陽性細胞(Labeling index)が癌化例で有意に増加していた。 2.組織切片のMicrodissectionとPCR-Gene Scanning法により、上皮・間質細胞の分離採取して染色体17番および腫瘍抑制遺伝子をコードしているmicrosatellite markerのmicrosatellite instability(MSI)とLoss of heterozygosity(LOH)を検索した結果、間質細胞のMSI, LOHは再生粘膜で既に出現し、その頻度は異型粘膜、癌でもほぼ一定であった。一方、上皮細胞粘膜では腫瘍性病変への進展につれてMSI LOHとも上昇傾向を示した。 以上により、UCでは反復する炎症によって、大腸粘膜陰かのりモデリングが組織・細胞・遺伝子レベルで生じており、特に陰かの融合や傾き、粘膜筋板の肥厚と間質細胞のMSI, LOH出現が上皮細胞の癌化に強く関連していることが示された。従って、炎症に伴う酸化的ストレスにより間質細胞の遺伝子不安定性が先行して、間質細胞の上皮細部への制御不全のために上皮細胞の遺伝子異常が積み重なって癌化にいたる可能性が示唆される。 今後は孤発性大腸癌、腺腫を同様の方法で検索し、その結果をUC例と比較する。
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Research Products
(4 results)