2005 Fiscal Year Annual Research Report
潰瘍性大腸炎の大腸発癌における粘膜リモデリングと間質細胞の遺伝子異常関与の証明
Project/Area Number |
16590293
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Research Institution | KITASATO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡安 勲 北里大学, 医学部, 教授 (20014342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 功 北里大学, 医学部, 講師 (90316943)
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Keywords | 潰瘍性大腸炎 / 発癌 / 遺伝子不安定性 / 間質細胞 / 大腸癌 / 大腸腺腫 / 慢性炎症 / リモデリング |
Research Abstract |
潰瘍性大腸炎の大腸発癌における粘膜リモデリングと間質細胞の遺伝子異常関与を証明するために、平成16年度には潰瘍性大腸炎-大腸異型病変-大腸癌を対象として、上皮・間質細胞の遺伝子不安定性を検索した。この結果との比較のために、平成17年度には特発性大腸腺腫、腺癌症例における遺伝子不安定性を検索した。 結果として、1)上皮細胞ではhyperplastic polyp, adenoma with low-grade dysplasia, adenoma with high-grade dysplasia, adenocarcinomaと腫瘍性病変の進行とともにNCI-standard, chromosome17およびMYCLの10markersで階段状にLOHおよびMSIともに出現頻度が上昇した(5-60%,5-35%)。一方、間質細胞のLOHおよびMSIはいずれも5-17%とほぼ一定の頻度であった。特にadenomaの段階で既に間質細胞のchromosome17のmarkersで遺伝子不安定性がみとめられたことから、間質細胞を主とした微細環境の変化が上皮細胞のadenoma, adenocarcinomaの発生に重要な役割を果たしている可能性が示された。 以上の結果から、特発性大腸癌発生と潰瘍性大腸炎関連癌発生とは上皮・間質細胞ともに遺伝子不安定性の出現頻度、パターンが明らかに違い、後者では早期から上皮・間質細胞ともにLOHの出現頻度が高いことが判明し、慢性炎症に伴う間質細胞の遺伝子不安定性元進(特にLOH)が腫瘍発生に重要であることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)