2005 Fiscal Year Annual Research Report
HGFによる白血球浸潤抑制を介した免疫寛容誘導機構の解析
Project/Area Number |
16590312
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水野 信哉 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10219644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 敏一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00049397)
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Keywords | HGF / 虚血再灌流傷害 / 好中球 / 内皮傷害 / 接着分子 / 炎症 / 白血球浸潤 / 免疫寛容 |
Research Abstract |
私達はラット腎移植モデルを用いてHGFが腎移植後の虚血再灌流傷害を抑制するとともに『免疫寛容』を誘導し、慢性拒絶反応の発症を阻止することを報告した。本年度は、各種白血球の浸潤に対するHGFの作用について解析した。 1)HGFによる好中球浸潤制御: 炎症時における組織破壊の担い手である好中球浸潤に対するHGFの生理的機能について腎虚血再灌流傷害のマウスモデルを用いて検討した。好中球に対する接着分子として知られるICAM-1が腎虚血時には間質の血管内皮細胞に発現していたが、このマウスにHGF蛋白を投与したところ、NF-kB活性系の抑制を介してICAM-1発現と好中球浸潤が阻害され、腎ネフロンの傷害が緩和された。以上の成果はAm J Pathol,166:1895-1905(2005)に報告した。 2)HGFによるTリンパ球浸潤制御: 自己免疫性心筋炎を誘起したラットを用い、心筋特異的HGF遺伝子導入法を用いてTリンパ球の活性化に対するHGFの機能を解析した。その結果、(1)活性化T細胞にはHGF受容体の発現が増加した、(2)この活性化T細胞を培養してHGFを添加すると、IFN-γの発現抑制、IL-4,IL-10の産生亢進に一致して心筋ミオシン特異的なT細胞増殖が制御された、(3)in vivoでもT細胞の増殖がHGF遺伝子導入により抑制され、これに一致して心筋傷害が軽減された。以上の成果はCirculation Res,96:823-830(2005)に報告した。 3)HGFによる好酸球浸潤制御: 卵白アルブミン投与により気管支喘息を誘起したマウスにHGFを投与したところ、肺での好酸球浸潤が抑制された。このマウスから樹状細胞を単離して培養してHGFを添加したところ、好酸球の浸潤に重要なIL-5の産生が抑制された。以上の成果はJ Immunol,175:4745-4753(2005)に報告した。
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Research Products
(23 results)