2004 Fiscal Year Annual Research Report
白色脂肪組織での肥満やインシュリン感受性を制御する遺伝子群の同定-若齢および老齢アンチ成長ホルモントランスジェニックラット、長期カロリー制限ラットを用いて-
Project/Area Number |
16590317
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
樋上 賀一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90253640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 功 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70187475)
山座 治義 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (30336151)
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Keywords | カロリー制限 / 成長ホルモン / トランスジェニックラット / インシュリン感受性 / 白色脂肪組織 / アディポネクチン / DNA chip |
Research Abstract |
実験動物、特にげっ歯類における若年時からの適度のカロリー制限(CR)は、様々な加齢現象や疾患の発症を抑制、寿命を延長するが、このメカニズムは未だ解明されていない。しかし、このCRの作用に、インシュリン感受性の増強を含む成長ホルモン/インシュリン様成長因子(GH/IGF-1)/インシュリンシグナルの重要性が注目されている。また、実験動物では、加齢に伴い肥満となりインシュリン抵抗性になるが、脂肪組織由来の様々な因子(アディポサイトカイン)がこのインシュリン抵抗性に関連があることが示唆されている。我々は、GHに対するアンチセンス遺伝子を導入し、下垂体でのGHの産生を選択的に抑制した6カ月齢のヘテロのトランスジェニックミニラット(tg/-)と野生型Wistarラット(-/-)自由摂食群(AL)および6カ月齢の野生型Wistarラット(-/-)CR群、計3群の血中レプチンレベル、アディポネクチンレベルを計測した。血中レプチンレベルおよび精巣上体周囲脂肪組織(WAT)でのmRNAレベルは、(tg/-)およびCRにより有意に減少した。一方、血中アディポネクチンレベルおよびWATでのアディポネクチンmRNAレベルは(tg/-)およびCRにより有意に増加した。またアディポネクチンの主要な転写因子であるPPARγのWATでのmRNAレベルは、アディポネクチンレベルと同様、(tg/-)およびCRにより有意に増加した。現在、上記3群のラットのWATでの3万個を超える遺伝子発現を、Affymetrix社製のDNA chipを用いて、網羅的に解析中である。
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