2005 Fiscal Year Annual Research Report
白色脂肪組織での肥満やインシュリン感受性を制御する遺伝子群の同定
Project/Area Number |
16590317
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
樋上 賀一 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90253640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下川 功 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70187475)
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Keywords | カロリー制限 / 成長ホルモン / トランスジェニックラット / インシュリン感受性 / 白色脂肪組織 / アディポサイトカイン / DNA chip |
Research Abstract |
実験動物、特にげっ歯類における若年時からの適度のカロリー制限(CR)は、様々な加齢現象や疾患の発症を抑制、寿命を延長するが、このメカニズムは未だ解明されていない。しかし、このCRの作用に、インシュリン感受性の増強を含む成長ホルモン/インシュリン様成長因子(GH/IGF-1)/インシュリンシグナルの重要性が注目されている。また、近年、白色脂肪組織やそこから分泌される様々な因子(アディポサイトカイン)が、寿命の制御や生活習慣病発症に重要な働きを示す事が示唆されている。我々は、GHに対するアンチセンス遺伝子を導入し、下垂体でのGHの産生を選択的に抑制した6カ月齢のヘテロのdwarf形質を示すトランスジェニックミニラット(tg/-,DR)と野生型Wistarラット(-/-)自由摂食群(AL)および6カ月齢の野生型Wistarラット(-/-)CR群、計3群の様々なパラメーターを比較した。血中インシュリン、IGF-1レベル、レプチンレベルおよび精巣上体周囲脂肪組織(WAT)でのレプチンmRNAレベルは、DRおよびCRにより有意に減少した。一方、血中アディポネクチンレベルおよびWATでのアディポネクチンmRNAレベルはDRおよびCRにより有意に増加した。さらに、上記3群のラットのWATでの3万個を超える遺伝子発現を、Affymetrix社製のDNA chipを用いて、網羅的に解析した。すると、CRにより4.2%(1055個)、DRにより1.6%(411個)の遺伝子発現が有意に変化していた。そのうち共通に変化する遺伝子はわずか0.1%(34個)しかなく、CRにより誘導されるこの遺伝子発現の変化は、DRすなわちGH/IGF-1非依存性に制御されていることが明らかとなった。またマウスと同様、CRにより代謝に関わる多くの遺伝子発現は増加し、細胞骨格や細胞外基質、炎症に関わる多くの遺伝子発現は減少していた。さらにWebツールを用いてCRにより発現が変化した遺伝子群の転写開始点近傍に存在する転写因子結合モチーフを検索したところ、CRにより発現が増加した遺伝子の転写開始点近傍にSREBP1結合モチーフが、またCRにより発現が減少した遺伝子の転写開始点近傍にC/EBPおよびNF-kappaB結合モチーフが存在する割合が高い事が明らかとなった。現在、SREBP1等の転写因子に関し、解析を進めている。
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Research Products
(3 results)