2005 Fiscal Year Annual Research Report
患者病巣腺組織移植免疫不全マウスでのシェーグレン症候群に関与する自己抗原の同定
Project/Area Number |
16590324
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
桜井 敏晴 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20101933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑名 正隆 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (50245479)
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
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Keywords | シェーグレン症候群(SS) / 病巣涙腺・唾液腺 / SCIDマウス / ヒトIgG抗体 / cDNA発現クローニング / 新規自己抗原 |
Research Abstract |
【目的】シェーグレン症候群(SS)患者病巣外分泌腺組織に浸潤するB細胞は、外分泌腺自己抗原を認識し抗体を産生している可能性がある。昨年はSS患者唾液腺・涙腺を移植したSCIDマウス血清を用いてヒト顎下腺上皮細胞(HSG)株でcDNA発現クローニング法を試行した。今回は放射線照射して樹立したHSG株ではなくヒト耳下腺癌細胞(HSY)株及びヒト正常顎下腺組織(HNSGT)のcDNAライブラリーを構築し、cDNA発現クローニング法を試みた。【方法】(1)SS患者唾液腺を移植したSCIDマウス血清を用いて、構築したHSY株及びHNSGTのλファージcDNAライブラリーをスクリーニングし、HSG株と比較検討した。(2)単離抗原に対するIgG抗体がSS患者血清中に特異的に検出されるかを検討した。【結果】(1)SS患者唾液腺を移植したSCIDマウス血清を用いHSG株、HSY株及びHNSGTのcDNAライブラリー4-8 x 10^5クローンをスクリーニングし、それぞれ31、70及び14個の陽性クローンを単離した。その内既知SS関連自己抗原のSS-A2及びSS-Bが全ライブラリーから複数単離され、また新規自己抗原KURSS-5も全ライブラリーから共通して単離された。さらに2種の新規抗原も単離された。(2)新規自己抗原に対する血清中IgG抗体は、健常人24例中0-3例で検出されたが、SS患者60例中には比較的高頻度(20-27例)で検出され、SS-A2/SS-B陰性例で陽性例が認められた。【結論・考察】SS患者唾液腺を移植したSCIDマウス血清での3種cDNA発現クローニングにより、SS-AやSS-Bが高頻度で単離され、SS患者病巣に特異的自己抗原を認識するB細胞が浸潤していることを確認した。KURSS-5及び2種新規自己抗原に対する自己抗体はSS-A2/SS-B陰性SS例で検出される場合があり、SSの診断及び病態解明に有用である可能性がある。
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