2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト癌/NOGマウス遠隔転移モデルによるヒト癌の新しい転移関連分子の探索
Project/Area Number |
16590325
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中村 雅登 東海大学, 医学部, 助教授 (00164335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 等 東海大学, 医学部, 助教授 (20191273)
末水 洋志 東海大学, 実験動物中央研究所, 研究員 (40332209)
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Keywords | 膵癌 / 大腸癌 / 悪性黒色腫 / DNAチップ解析 / NOGマウス / 遠隔転移 / S100A4 / in vivo |
Research Abstract |
平成17年度の研究ではヒト大腸癌、悪性黒色腫細胞株をNOGマウス脾門部、尾静脈に移植し、癌細胞株の遠隔転移能を定量的に評価した。その結果、低効率転移能〜高転移能ヒト大腸癌および悪性黒色腫細胞株を同定することができた。このうち大腸癌細胞株の遺伝子発現プロファイルをDNAチップにより解析し、癌細胞株の転移能に関連する遺伝子を評価した。 研究(1):門脈血行性肝転移能をヒト大腸癌培養細胞株(SW480,SW48など)10^2〜10^6個をNOGマウス脾門部に移植し、4週間観察し剖検し、肉眼的にマウス肝臓の転移巣(数、大きさ)を確認した。組織標本を作製し転移巣の病理像を確認した。一部は凍結標本とし、分子生物学的・生化学的解析に供した。 研究(2):研究(1)からヒト大腸癌細胞株のin vivo肝転移能を評価し、低転移能細胞株〜高転移能細胞株を同定し、低転移能細胞株株SW48を同定した。さらに肝転移巣をNOGマウス脾門部→肝転移病巣を反復継代移植し転移能が増加するかを確認し、高転移細胞株SW48LM2を作製した。 研究(3):SW48およびSW48LM2の遺伝子発現プロファイルをDNAチップにより解析した。遺伝子発現プロファイルの有意差から、NOGマウスin vivo肝転移に関与する候補遺伝子・分子を同定した。大腸癌細胞株SW48では前年度の膵癌細胞株の研究において最も転移に良く相関していたS100A4遺伝子の発現増強は認められなかった。現在、他の候補遺伝子について転移との相関性を確認中である。 研究(4):悪性黒色腫細胞株A2058,A375,G361,HMY-1のin vivo転移能がS100A4遺伝子発現増強に相関して増強されることを明らかにし、成果を論文(N.Ikoma, M.Nakamura et al.,Oncol.Reports 14:633-637,2005)に発表した。
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Research Products
(3 results)