2005 Fiscal Year Annual Research Report
村落の現場で利用可能なマラリアの迅速遺伝子診断法の開発
Project/Area Number |
16590341
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Research Institution | OITA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
川本 文彦 大分大学, 総合科学研究支援センター, 教授 (40115556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神戸 俊夫 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50093018)
大塚 靖 大分大学, 医学部, 助手 (00244161)
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Keywords | マラリア / 遺伝子診断法 / 迅速診断法 / 簡易診断法 / Lamp法 / トポイソメラーゼII / 遺伝子解析 / DNA迅速抽出法 |
Research Abstract |
Nested PCR法によるマラリア遺伝子診断法は大変精度の高い診断法であるが、残念ながら、村落の現場で実際に応用することは極めて困難である。最近、PCR法に代わる迅速遺伝子増幅法(Lamp法)が発表され、この方法はDNAと試薬を混合し、単に63度前後のインキュベーションのみで短時間内に増幅され、視認で増幅産物の有無が確認できる。そこで、本研究では、これらの新型ヒトマラリア原虫が多数検出された東南アジアにおいて、Lamp法による遺伝子増幅法を応用した新しい遺伝子迅速診断法を開発し、さらに精度の高い、村落の現場で利用できるマラリアの迅速遺伝子診断法を開発することを目的とする。 本年度は、Nested PCR法に用いている18SリボゾームRNA遺伝子のターゲット部位を利用して更に、ループプライマー法のための長いプライマーを設計した。このループプライマー法を用いて診断を試みた所、通常のプライマー法では1時間が必要であったのに対し、30分で遺伝子増幅による白濁が観察され、より早く診断できることが判明した。マラリア流行地での実際の応用のため、プラスチック製簡易インキュベーターとお湯の組み合わせを試みた所、実験室内では可能であったが、常時温度の監視が必要であるため、野外での実用化は難しいものと思われた。 更に、4種のヒトマラリア原虫の鑑別診断を試みるため、4種類のヒトマラリア原虫に特異的な部位を用いてプライマー設計を行ったが、18SリボゾームRNA遺伝子を用いた場合にはプライマー設計は不可能であった。そこで、酵母の遺伝子診断に利用されているトポイソメラーゼII遺伝子の利用を図ることとし、熱帯熱マラリア原虫の遺伝子を参考にしながら他の3種のマラリア原虫のトポイソメラーゼII遺伝子の解析を行ったが、熱帯熱マラリア原虫と他の3種の原虫では遺伝子変異が高く、現在も解析中である。
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Research Products
(4 results)