2004 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア感染でのMΦ/樹状細胞による肝病態形成と免疫応答修飾
Project/Area Number |
16590343
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
渡部 久実 琉球大学, 遺伝子実験センター, 教授 (50143756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
モハメッド カイサール・マヌール 琉球大学, 医学部, 助手 (70347136)
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Keywords | ネズミマラリア / 肝NKT細胞 / マクロファージ / 樹状細胞 / plasmocytoid DC / CD11c^<low> ClassII^-DC / アポトーシス抑制因子(AIM) / parasitemia / 肝病態形成 |
Research Abstract |
マラリア感染に伴い肝臓傷害や肝髄外造血などの病態が誘導されるが、その機構についてはいまだ不明な点が多い、研究代表者らは、ネズミマラリアモデルやヒトマラリアにおいて、肝臓に局在する狭義のNKT(iNKT)細胞に分類されない細胞群(胸腺外分化型T細胞)が感染防御機構を担うことのみならず自己抗体産生に関与する可能性をすでに報告してきた。また、この肝NKT細胞の機能制御はマクロファージ(MΦ)/樹状細胞(DC)が担うことを、細菌感染や薬剤による肝障害モデル及び移植における免疫寛容誘導の実験より明らかにした。樹状細胞(DC)は抗原呈示細胞として特異的免疫応答を惹起することができるが、DCの成熟状態や活性化によって免疫応答を抑制・不活性化する負の制御も担うことが明らかになってきている。本年度は、ネズミマラリア原虫感染マウスの肝臓と脾臓DCの性状と機能を中心に解析を行った。 正常マウス肝ではplasmocytoid DCの抗原(PDCA-1)を発現するCD11c^<low> ClassII^-DCが、脾ではCD11c^<high> Class II^+DCが優位を占めていた。この肝DCは脾DCと異なり、形態学的・機能的にも未熟型を示した。ネズミマラリア感染初期(Day 7)において、肝及び脾のCD11c^<low> Class II^-DCが著しく増加したが、PDCA-1抗原の発現は低下した。しかし、肝及び脾のCD11c^<high> Class II^+DCは減少するもののPDCA-1抗原の発現が認められた。さらに、MΦ/DCが産生するアポトーシス抑制因子(AIM)を欠損するマウスでは、感染初期(Day5>に一時的に認められるparasitemiaの増加が野生型に比較して約2倍となり、また、原虫排除の時期も早まることが示された。 これらの結果から、マラリア感染に伴ない肝局在のIFNα/βを産生し免疫系を制御するplasmocytoid DCのpopulation変化が明らかになり、このことが肝病態形成や感染防御に関与する可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)