2004 Fiscal Year Annual Research Report
病原性遺伝子群をもつヘリコバクター・ピロリによる宿主細胞への炎症誘導機構
Project/Area Number |
16590364
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
和田 昭裕 長崎大学, 熱帯医学研究所, 講師 (70253698)
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Keywords | ヘリコバクター / 病原性遺伝子群 / 炎症 |
Research Abstract |
本研究では、最終的にcag病原性遺伝子群を持つ菌による宿主細胞のNF-κBの活性化に関与する宿主側の未知因子の決定を最終目的として、その過程として本研究ではcag病原性遺伝子群を持つヘリコバクター・ピロリによる宿主細胞のNF-κBの活性化の性状を解析して基礎的な知識の集積をはかることを目的とする。 本年度は、ヘリコバクター・ピロリの感染と抗菌性ペプチドの発現との相関関係に注目して実験をおこなった。そこで、まず、高感度ラジオイムノアッセイ法を用いて胃液中のHNP-1,HNP-2およびHNP-3の定量をおこなった結果、ヘリコバクター・ピロリ胃炎患者では健常者と比較して有意にこれらα-ディフェンシンの濃度が高値であり、除菌後には著明に減少することが判明した。また、hBD-1およびhBD-2の胃液中の発現量に関しては、hBD-1の発現は特に疾患別に有意な差はなく、hBD-2の発現は健常人に比べ、慢性胃炎(CG)、胃潰瘍(GU)の患者において有意に健常人より高かった。このようなヘリコバクター・ピロリの感染に伴う抗菌性ペプチドの発現に関与するNF-κBの役割を検討すると同時に、cag病原性遺伝子群を持つ菌株に依存的な宿主細胞のNF-κBの活性化のしくみを追求していきたい。
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Research Products
(6 results)