2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16590374
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
吉田 友昭 愛知医科大学, 医学部, 助教授 (70210705)
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Keywords | 志賀毒素 / Two hybrid法 / cDNA subtraction / アポトーシス / 蛋白相互作用 |
Research Abstract |
以前より、志賀毒素はリボゾームに作用して蛋白合成を阻害することによって細胞毒性を発揮することが知られているが、我々を含めて多くの研究者がアポトーシスの関与を報告するなど、他にも未知の作用機序が細胞毒性に関与している可能性が高い。我々は、志賀毒素の重要な標的細胞のひとつであるヒト血管内皮を用いた実験系で、同じ細胞で、毒素受容体量も大きな変化がないにもかかわらず、毒素に対する反応性が1000倍以上低下して、細胞傷害を起こさなくなる現象を報告してきている。平成16年度は、まずヒト血管内皮の、二つの発現形質の背景にあるタンパク発現プロファイルの違いをcDNA subtraction法で比較した。その結果、毒素に高感受性の状態では、プロテアソームやガレクチン-1が多く、低感受性になるとフィブロネクチンやビメンチンが増加する現象が見出されたが、ガレクチンがアポトーシスに関連する可能性はあるものの、有意義な結果は得られなかった。次に、志賀毒素が相互作用をする細胞内タンパク質を、大腸菌をホストとしたtwo hybrid法で網羅的に検索したところ、small glutamine-rich tetratricopeptide repeat containing-αという蛋白と相互作用する可能性が示された。この分子は、細胞質で、細胞骨格や成長ホルモンレセプターの細胞内ドメインと相互作用して、細胞分裂やエンドサイトーシスに関わることが示唆されている分子で、現在のところ細胞死との因果関係は不明である。今後siRNAを移入してその効果を観察するとともに、small glutamine-rich tetratricopeptide repeat containing-αの遺伝子組換え蛋白を作成して、蛋白レベルで相互作用を確認する予定である。
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Research Products
(3 results)