2005 Fiscal Year Annual Research Report
リポソーム表面結合法を用いた樹状細胞指向性C型肝炎ウイルスワクチンの開発研究
Project/Area Number |
16590391
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Research Institution | Saitama Medical School |
Principal Investigator |
赤塚 俊隆 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30159321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 政則 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (50199741)
守屋 修 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (40049862)
町田 早苗 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (00219362)
内田 哲也 国立感染症研究所, 安全性研究部, 主任研究官 (50176690)
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Keywords | ワクチン / 細胞傷害性T細胞 / インターフェロンガンマ / HLA / リポソーム / サイトカイン / ケモカイン |
Research Abstract |
1)我々の報告も含め、これまでに報告されたC型肝炎ウイルス(HCV)のHLA-A2拘束性CTL epitopesの中から24種のペプチドを用い、i)HLA-A2とのaffinity、ii)HLA-A2との結合のstability、iii)CTL誘導能、iv)IFN-γ産生CD8+T細胞誘導能を比較、ワクチンの成分として最も有力な候補としてaa132-140を選んだ(Viral Immunol.に発表)。 2)1)のepitopeはBALB/cマウスなどのH-2dに拘束されるHCV CTL epitope, aa133-142と重なっており、両者にまたがるaa132-142のペプチドを合成し、その一部をリボソーム表面に結合させて、その細胞免疫誘導能をHLA-A2transgenic, H-2 knockout mouse(HHD mouse)とBALB/c mouseを用いて、ペプチド単独免疫と比較検討した。その結果、HHDマウスで20%以上、BALB/cマウスで7%程度のCTL活性が認められ、ペプチド単独では殆ど認められなかった。このペプチド表面結合リポソームワクチンによる免疫は、HHDマウスにおけるIFN-IFN-γ誘導能(1,200/10^6 cells, ELISPOT)でさらに良い結果を得ることができた。 3)IL-12を発現する組換えアデノウイルスを上記ワクチンと共に接種すると、CTL誘導もIFN-γ産生T細胞誘導もさらに増強され、特にBALB/cマウスで顕著であった。HCVの排除にはCTLによる感染細胞の除去よりもIFN-γによるウイルス増殖抑制のほうが重要であるとされており、その面から見てこのワクチンは有望であると考えられた(論文執筆中)。 4)IL-12関連新規サイトカイン、IL-23とIL-27をクローニング、組換えアデノウイルスとワクシニアウイルスによる発現系を作成し、CTL誘導効果をIL-12,と比較した。その結果両者共にIL-12と同様の効果が見られ、その間に共働作用効果も認められた(J.Virol.に発表)。IL-23は2)のワクチンと共に使用し、3)の結果と比較したが、このワクチンではIL-12ほどの効果は認められなかった。 5)ケモカイン6Ckineを欠損するマウス(Pltマウス)ではT細胞のリンパ節へのhomingが傷害され、ウイルスに対する細胞免疫反応が正常に働かず、ウイルス排除ができずに持続感染状態が起きることを、ワクシニアウイルスを用いて証明した(J.Virol.に発表)。我々のリポソームワクチンのウイルス持続感染に対する治療ワクチンとしての効果を検討するうえで有用であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)