2004 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルスの潜伏感染時と溶解感染時におけるEBNA1の機能解析
Project/Area Number |
16590398
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
大黒 徹 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍ウイルス学部, 主任研究員 (80291409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 豊 愛知県がんセンター(研究所), リサーチレジデント
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Keywords | EBV / EBNA1 / ChIP |
Research Abstract |
EBウイルス(EBV)のコードするEBNA1はEBV潜伏感染細胞でEBVゲノムのエピゾーム状態での維持や細胞が分裂する際の分配に機能することが知られている。EBNA1蛋白質は潜伏感染時の複製開始点であるoriPのFRやDS領域、およびQプロモーター領域(Qp)に結合することは、これまでin vitroフットプリンティングの実験でのみ報告されているが、in vivoでそれらの結合性は実証されていなかった。また溶解感染時にもEBNA1蛋白質は発現しているが機能や動態については不明な点が多い。今回我々はEBNA1が結合しているEBVゲノム上の領域を網羅的に検索するため染色体免疫沈降(ChIP)法の改良を行い、EBV感染細胞でのEBNA1のEBVゲノムへの結合動態を細胞周期、溶解感染誘導時について解析した。染色体免疫沈降(ChIP)法でin vivoでもEBNA1蛋白質が潜伏感染時にoriP領域に結合していることを確認した。細胞周期での結合量の変化はみられなかった。EBNA1蛋白質のoriPへの結合性は溶解感染誘導後さらに増大することを明らにした。またEBNA1蛋白質の細胞内局在性を検討した結果、潜伏感染時は核内に拡散して小さなドット状に分布したが、溶解感染の誘導によりreplication compartmentsに局在することがわかった。EBVのコードするBMRF1産物(DNAポリメラーゼ不随蛋白質)は複製の場に広く分布していたがEBNA1蛋白質はそれらの近傍に一部重なるように局在していた。これらの結果から合成されたEBVゲノムDNAのoriP領域がEBNA1によってreplication compartmentsに固定化のために働いている可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)