2005 Fiscal Year Annual Research Report
EBウイルスの潜伏感染時と溶解感染時におけるEBNA1の機能解析
Project/Area Number |
16590398
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
大黒 徹 愛知県がんセンター(研究所), 腫瘍ウイルス学部, 主任研究員 (80291409)
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Keywords | EBV / EBNA1 / ChIP |
Research Abstract |
EBウイルス(EBV)のEBNA1がoriPのFRやDS、Qプロモーター領域に結合することはこれまでフットプリントの実験から報告されている。今回我々は染色体免疫沈降(ChIP)法の改良によりEBNA1が結合しているEBVゲノム上の領域を網羅的に検索することが可能となったので、潜伏感染、溶解感染、細胞周期で比較検討を行いEBNA1のEBVゲノムへの結合動態について解析した。 ホルムアルデヒドでEBV感染細胞をクロスリンク処理した後CsCl密度勾配遠心にかけ抗EBNA1抗体でChIPを行いランダムプライマーで増幅しラベルしたものをプローブとし、EBVゲノムライブラリーのどの部位に結合しているかをサザンブロットハイブリダイゼーションで検討した。 潜伏感染状態にある各培養細胞を出発材料として抗EBNA1抗体でChIP法を行うと、EBVゲノムライブラリー中oriPを含むBamHl C断片やQプロモーターを含むQ断片が検出された。EBV潜伏感染状態の細胞の細胞周期による比較で結合状態に著しい変化は見られなかったが、B95-8 tet-BZLF1細胞にDOXを添加することにより溶解感染を誘導した実験の結果から、溶解感染時にもEBNA1蛋白質はDSやFRといったoriP領域及びQプロモーター下流に結合し続けていることが確認された。 また共焦点レーザー顕微鏡を用いてEBNA1、BMRF1、PCNA、BrdUの取り込みについての細胞内局在性ついて検討したところ、溶解感染時にはEBNA1はBMRF1と一部共局在している像が観察された。このことからEBNA1はDNA複製の場の一端に局在していることが予想される。
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Research Products
(2 results)